不動産投資・資産運用に関する情報を無料配信不動産投資・資産運用に関する情報を無料配信

不動産投資の基本、イールドギャップについて知ろう

不動産投資の基本、イールドギャップについて知ろう


不動産投資の基本、イールドギャップについて知ろう

イールドギャップとは、投資の利回りから長期金利を引いた差を指します。不動産投資の場合、物件の利回りと借入金の金利の差と考えればいいでしょう。不動産投資の重要な投資判断指標となるイールドギャップについて、今回は説明します。

【目次】

1.イールドギャップの計算方法

イールドギャップの計算方法

まずは、イールドギャップの計算方法を見ていきましょう。
例えば、物件価格が5000万円のマンションがあり、年間の家賃収入が400万円だとします。この場合、物件の表面利回りは8%です。この物件を購入するために銀行から金利3%で借り入れたとすると、

表面利回り8%-金利3%=イールドギャップは5%

となります。
ただし、不動産投資には修繕費や諸税といったさまざまな経費や、空室・滞納リスクへの備えが必要で、表面利回りを使った上記の計算式では、実際の収益性が図りにくくなります。真の収益性を知るには、表面利回りの代わりに実質利回りを使ってイールドギャップを計算する必要があります。
実質利回りの計算式は以下の通りです。

実質利回り(%)=(年間家賃収入-年間コスト)/(税込物件価格+購入時のコスト)×100

この計算式を見ればわかるように、実質利回りは表面利回りと比較してより現実的にキャッシュフローを把握できる指標になっています。不動産の広告などでは計算式が簡単かつキャッチーな表面利回りが用いられることが多いので、実際の投資判断をする際にはきちんと実質利回りで計算をし、コストを加味することが大切です。

2.イールドギャップの判断基準

イールドギャップの判断基準

収益性の目安としては、一般的にイールドギャップは3%程度といわれます。また、新築と中古でイールドギャップの判断基準に差はなく、どちらも3%以上であることが望ましいようです。
中古物件の場合、購入価格が低く抑えられるため表面利回りは高くなる傾向があります。ただ、築年数の古い物件は修繕費が高くつく可能性がありますし、借主募集に苦労して空室リスクが発生することもあります。空室リスクを気にして入居者の属性を選ばなかった場合、家賃滞納などのトラブルに見舞われることもあります。また、中古物件は、新築よりもローンの条件が悪くなることも多々あります。そうなると、いくら表面利回りが高くても、実際のコストやリスクを加味した実質利回りや実質利回りを用いて計算したイールドギャップは低くなる可能性があります。

一方、新築物件は購入価格が高いので、表面利回りは低くなります。ただ、修繕費用などのコストは抑えられる傾向があり、立地条件が良ければ入居希望者が多く家賃の下落リスクも低いでしょう。銀行からの融資を受ける場合も低い金利で借りられるケースが多くなります。
なぜ昨今の不動産投資でイールドギャップが重視されるようになったかというと、多くの不動産投資家がキャピタルゲイン(売却益)ではなく、インカムゲイン(家賃収入)を不動産投資戦略の中心に置くようになったからです。
バブル時代のように金利が高く不動産価格がどんどん上がるような市場環境では、物件価格の上昇に合わせて家賃もつり上げるのは難しいため、イールドギャップは悪化しマイナスになることもあります。そのため、不動産投資の戦略は「現金で購入し、値上がりを待って売却する」というキャピタルゲイン狙いが主流でした。

しかしバブル崩壊後、不動産価格の上昇が見込みにくくなると、売却益を狙うことは難しくなります。一方で、入居者がいれば、不動産相場が低下しても家賃収入は安定的に得られます。低金利時代により融資を活用しやすくなり、インカムゲインを重視した不動産戦略へと方針転換し、イールドギャップが重視されるようになったのです。

3.イールドギャップだけでは投資判断はできない?

イールドギャップだけでは投資判断はできない?

不動産投資の基本は、融資という他人資本を使って収益を上げる点にあります。
物件の利回りが同じなら、ローン金利が安い方が投資効率は良くなります。逆に、ローン金利が同じなら、物件の利回りが良い方が、投資効率が良いと言えます。だからこそ、物件の利回りと金利から導き出されるイールドギャップは、レバレッジ効果を測る便利な指標ともいえます。
ただし、投資判断をそれだけで下すのは危険です。なぜなら、銀行のローンは「金額」・「金利」・「期間」の3つがポイントになるからです。
ローン返済額や期間も、キャッシュフローに影響しますが、上記でご紹介したイールドギャップの計算式では、表面利回りと実質利回りのいずれを用いた場合でも、金利との差しか考慮をしていない点にお気づきでしょうか。

例えば、上記で紹介した年間の家賃収入が400万ある、物件価格5,000万円の物件を購入するためにローンを組んだ場合を考えてみましょう。

(例1)
借入金額:5,000万円
金利:3%
借入期間:20年 (240回払)
月額返済額:277,298円(例2)
借入金額:5,000万円
金利:4%
借入期間:30年 (360回払)
月額返済額:238,707円

この2つの例では、イールドギャップのみを重視した判断では、物件の利回りが同じですので、例1のほうがイールドギャップが大きくなり、レバレッジ効果が高いとされるでしょう。しかし、金利が高い例2のほうがローンの借入期間が長く、月々の返済額が少ないためキャッシュフローが良くなります。このように、イールドギャップだけでは実際の収益性(キャッシュフロー)については測れないのです。

こうした弱点を考慮して、より厳密にイールドギャップを判断する指標もあります。通称「K%」と呼ばれるもので、金利のパーセントのみを考慮するのではなく、返済期間も反映させた数値になります。K%を用いてイールドギャップを算出する計算式は以下の通りです。

⓵年間ローン返済額(利息+元本)/借入額=K%
⓶実質利回り-K%=イールドギャップ(%)

K%を用いた計算を行うことで、より厳密に、実態に即したイールドギャップを計算することができます。ただ、こうした指標はどれだけ要素を反映させたとしてもやはり机上の空論であることに変わりはありません。いくら計算上の数値が良くても、実際の物件の状態によっては思ったような収益が見込めない可能性があります。
特に「不動産選びは立地が全て」といわれるほどで、特に「最寄り駅からの距離」「治安」「騒音」「生活に便利な施設(スーパー、学校、病院など)がそろっているか」という点が重視されます。これらは、ご自身が実際の住まいを選ぶときにどういった点を重視するかを考えたら、どのような立地なら集客しやすいかはおのずとわかることでしょう。

このほか、築年数や間取り、設備も重要なポイントです。都会や大学などの周辺なら単身世帯向けのワンルームや1LDKなどのコンパクトな間取りが好まれるでしょうし、学校や病院が近いエリアならファミリー向け物件の需要があるでしょう。設備については時代ごとのライフスタイルや流行もあり、最新のものを備えているほうが当然ながら客付きがよくなります。
立地やエリアごとにどういった需要があるのかを調べるには、実際に現地に足を運んでの調査が欠かせません。物件に直接足を運べば、利回りやイールドギャップだけではわからないマイナスポイントが見えてくることもあります。特に立地は入居率に直結するうえ、物件の購入後に変えることができない要素なので慎重な判断が求められます。

4.イールドギャップはレバレッジ効果を測る指標

不動産投資の基本は、融資という他人資本を使って収益を上げる点にあります。そのため、利回りから金利差を引いたイールドギャップは、レバレッジ効果を測る指標にはなります。ただ、ここまで説明しましたように、不動産投資にはさまざまな経費やリスクへの備えが必要で、ローンも金利だけが焦点になるのではありません。不動産経営には立地や間取り、設備といった物件そのものの魅力にも大きく左右されるため、イールドギャップの計算式だけでは投資判断できないという点には特に注意しましょう。


関連記事

不動産投資・マンション投資 人気コラム


その他のカテゴリー

「投資に興味はあるけどよくわかっていない」「少しだけ話を聞いてみたい」
そんな悩みを持つ方に GALA NAVI はピッタリです。
不動産投資・資産運用に役立つ情報をプロがわかりやすく解説します。
\ 不動産投資のポイントをご紹介! /
【無料】資料ダウンロードはこちら