不動産取得後に毎年かかる税金は?計算方法と軽減措置について解説
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不動産を取得した場合、不動産取得税とは別に、毎年、固定資産税、都市計画税(固都税)の負担が生じます。
自分が住まない純粋な投資用として購入した場合でも納税義務があります。
マンション投資をする場合、ローンの年間返済額に加えて税金の支払いが毎年発生しますので、税金も含めた資金計画が必要です。
資金計画を検討する際、将来的な不安を軽減するために軽減措置についても考慮しておくことをおすすめします。
そこで、固定資産税と都市計画税がどのような税金で、いくらくらいの金額が毎年課税されるかについて解説します。
毎年かかる税金は固定資産税・都市計画税
固定資産税とは、不動産などの固定資産(土地や家屋など)の所有者に原則として課税される税金です。
固定資産税は、教育、福祉、消防、救急、ごみ処理などの行政サービスの費用として、ほかの税金とともに使われます。
一方、都市計画税は、道路・公園・上下水道などの都市計画事業の財源として、原則市街化区域内の土地や家屋の所有者に課税される税金です。
両方の税の納税者は、毎年1月1日の時点で当該不動産の所有者として登記されているものです。
ともに課税は不動産の所在地の市区町村が行う地方税です。
なお、東京都の特別区が所在地の不動産は東京都が課税します。
支払いは、一括払いと分割払い(通常は4回)の選択が可能です。
固定資産税・都市計画税の納税通知は毎年4~5月に発送されるのが一般的で、納期は市町村によって異なります。
発送日は統括する市町村によって異なるため、通知書が届くタイミングを知りたいときは市町村の窓口に連絡しましょう。
固定資産税の計算方法
固定資産税は、下記の計算式で算出します。
- 固定資産税額 = 固定資産税評価額 × 税率
固定資産税評価額は土地と家屋両方の価格を合算したものであり、売買価格とは異なります。
土地については固定資産評価基準に基づいて算出され、一般的には公示地価の7割程度の値段が付けられます。
家屋の価値は構造や設備などの仕様によって異なり、設定された評価額に基づいて算出します。
また、固定資産税の標準税率は1.4%ですが、市町村によっては少し高めの税率で課税されることがあります。
人口が不足していたり、税収が少なかったりする地域が、高めの税率を設定することがあるようです。
都市計画税の計算方法
都市計画税を計算する際にも、下記のように固定資産税評価額が用いられます。
- 都市計画税 = 固定資産税評価額 × 税率
固定資産税課税標準額については、上記項目で説明した条件と同じ方法で算出されます。
この評価額は永年同じ価格ではなく、3年ごとに見直しが行われています。
そのため、年度によっては同じ条件でも見直しにより固定資産税評価額が変動することがあります。
税率については最大で0.3%であり、ほとんどの市町村が0.3%に設定しています。
固定資産税・都市計画税の軽減措置
固定資産税と都市計画税には、さまざまな軽減措置が適用される場合があります。
以下の6つのケースでは、税負担が軽減されます。
新築住宅の軽減措置
新築された住宅については、一定期間、固定資産税が軽減される措置があります。
居住用の新築住宅であれば、建物部分の固定資産税が3年間にわたって1/2に軽減されます。
3階建て以上の耐火・準耐火構造の共同住宅は5年間であり、これは居住を目的とした建物の取得を促進するための制度です。
住宅用地の軽減措置
住宅の敷地である「住宅用地」については、土地にかかる固定資産税・都市計画税の軽減が可能です。
具体的には、200平方メートル以下の部分は小規模住宅用地となり、固定資産税が評価額の1/6、都市計画税が1/3に軽減されます。
200平方メートルを超える部分についても、1/3の軽減率を受けることができます。
震災・災害による軽減措置
自然災害や震災によって住宅や家屋が損壊した場合、固定資産税および都市計画税の減免措置を受けられることがあります。
対象となる災害は震災、風水害、火災などであり、「減免税額 = 減免対象税額 × 減免率」で算出できます。
全壊・半壊の程度に応じて、課税額が一部または全額免除される場合があるため、自治体に申請を行うことが重要です。
耐震改修・バリアフリー改修・省エネ改修の軽減措置
一定の条件を満たす改修工事を行った場合、翌年度の固定資産税が軽減される措置があります。
たとえば、旧耐震基準の住宅を耐震改修した場合、建物部分の固定資産税が1年間、1/2に軽減されます。
バリアフリー改修や省エネ改修についても、軽減対象になる条件が定められています。
長期優良住宅の軽減措置
長期優良住宅として認定された新築住宅は、通常の新築住宅よりも長く固定資産税の軽減を受けられます。
具体的には、建物の固定資産税が5年間(3階建て以上の共同住宅は7年間)にわたり1/2に軽減できます。
こちらはZEHなどをはじめとした省エネ性や、耐震性が高い住宅の普及を目的とした制度です。
商業施設や特定地域の軽減措置
一部の商業施設や地域活性化を目的とした特定地域においては、地方自治体の条例に基づき、減免が適用されることがあります。
いわゆる「非住宅用地」を対象とした減免であり、東京都では400平方メートル以下の場合は2割の減免措置を受けられます。
空き店舗対策や地域経済の活性化を支援するための制度であり、対象施設や条件は地域ごとに異なります。
都内のワンルームマンションの固定資産税と都市計画税
それでは実際に都内のワンルームマンションを購入した場合、固定資産税と都市計画税の額がいくらぐらいになるかを計算してみましょう。
固定資産税額の計算
床面積は専有部分と共有部分を含めて30平方メートル。
土地面積は25平方メートル。
価格は2,500万円(土地部分1,300万円、建物部分1,200万円)の新築物件を買った場合を例に計算します。
固定資産税評価額を時価の70%とすると、1,750万円(土地部分910万円、建物部分840万円)です。
また、マンションは2018年3月31日までに新築された3階建以上の耐火構造・準耐火構造住宅とします。
土地の固定資産税は、面積が200平方メートル以下なので6分の1に減額されます。
計算すると以下の金額となります。
○固定資産税額(土地)=910万円 × 1.4% × 1/6 = 2万1,233円
家屋の固定資産税は、床面積が120平方メートル以下なので新築後5年間は税額が2分の1に軽減されます。
○固定資産税額(建物)=840万円 × 1.4% × 1/2 = 5万8,800円
以上から、 固定資産税額は2万1,233円 + 5万8,800 = 8万33円です。
都市計画税額の計算
続いて都市計画税額を計算します。
税率は0.3%で計算します。
土地が200平方メートル以下のため土地の都市計画税は3分の1に軽減され、さらに都内の土地部分は都の条例により、税額が2分の1に減額されます。
家屋の軽減措置はなしとします。
○都市計画税額(土地部分)=910万円×0.3%×1/3×1/2=4,550円
○都市計画税額(家屋部分)=840万円×0.3%=2万5,200円
以上から、 都市計画税額は9,100円+2万5,200円=3万4,300円です。
固定資産税額と都市計画税額の合計は、11万4,333円(8万33円+3万4,300円)となります。
納付を滞納・延滞してしまった場合は?
固定資産税や都市計画税を滞納すると、延滞金が発生し、最悪の場合は財産の差し押さえの対象になる可能性があります。
延滞金の発生
納付期限を過ぎると、法定の延滞金が課されます。
延滞日数に応じて利率が加算されるため、早めの対応が重要です。
督促状の送付
一定期間を過ぎると、自治体から督促状が送付されます。
督促状のなかには納付期限が記載されているため、期日内に支払わなければ後述する差し押さえのリスクが生じます。
差し押さえのリスク
長期間滞納すると、不動産や預貯金が差し押さえられる可能性があります。
納付が難しい場合は自治体に相談し、分割納付などの対応を検討しましょう。
このようなリスクが発生しないように、固定資産税や都市計画税などは期日を守って納税しましょう。
まとめ
不動産を購入すると毎年課税される固定資産税と都市計画税。
これらがどのような税金で、いくらくらい課税されるかについて解説しました。
管理費や修繕積立金は、ローンの返済計画をするときに多くの人は検討しますが、固定資産税と都市計画税については忘れがちです。
また、固定資産税や都市計画税は条件を満たすことで、一定の軽減措置を受けられます。
マンションを購入する際はこれらの税金も考慮するようにしましょう。
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