不動産投資を始めるエリアとして、人口が多く賃貸需要の高い都市部は人気があります。良い物件は競争率が高いため、ライバルの少ない地方を狙いたいと考える方もいるのではないでしょうか。一方で、「地方都市の賃貸需要は高いのか」「長期的に安定した収益を得られるのか」といった悩みを抱えているかもしれません。

そこで本記事では、地方都市における不動産投資のメリットや注意点、失敗しないためのポイントについて詳しく解説します。

１．地方の不動産投資でも問題ないケースとおすすめエリア

地方といってもエリアは広く、それぞれの特徴は大きく異なります。地方での不動産投資を成功させるには、賃貸需要の高い場所を選択する必要があるでしょう。ここでは、不動産投資において失敗しにくいエリアの特徴とおすすめの都市を紹介します。

🔵地方の不動産投資でも問題ないケース

地方で不動産投資する場合、人口100万人以上の地方都市を選んだほうがよいでしょう。人口の少ないエリアは流動性が低いためです。特に人口が減少傾向にあるエリアは賃貸ニーズも下がる一方で、不動産投資で赤字が続くリスクが高まるため、避けたほうが無難でしょう。

ただし、人口100万人以上でなくても、流動性が高い50万人以上の都市であれば不動産投資に向いていると判断できるケースもあります。

🔵地方で不動産投資をするのにおすすめのエリア

地方で不動産投資をする場合、おすすめしたいエリアは以下の5つです。

・札幌市
・仙台市
・広島市
・福岡市
・沖縄県

札幌市、仙台市、広島市、福岡市は全て人口100万人以上の都市で、流動性も比較的高い地域です。地価が上昇傾向にあるため、売却益を狙った不動産投資も向いています。

また、総務省による「令和２年国勢調査 人口等基本集計結果の要約」によると、沖縄県は人口が増加している数少ない都道府県のひとつです。借家率も高い傾向にあるため、エリアによって今後も賃貸需要は高まると考えられるでしょう。

参考：『令和２年国勢調査 人口等基本集計結果の要約｜総務省統計局」

２．地方都市で不動産投資をするメリット

不動産投資を始めるエリアとして、賃貸需要が高く人口の多い都心を勧められるケースは少なくないでしょう。一方、地方都市も都心とは違った理由で不動産投資に向いているといえます。ここでは、地方都市で不動産投資をするメリットについて詳しく解説します。

🔵ライバルが少ない

地方都市は都心の物件と比べるとライバルが少なく、希望する物件を先に購入されるケースは少ないでしょう。物件を売る方が「売れるかどうか分からない」と考えて、あらかじめ低めの価格帯を設定する場合もあります。

地方でも賃貸需要の高い物件は存在するため、エリアを見極めて工夫した運営ができれば、安定した収益も獲得可能です。

🔵利回りが高い

地方都市はライバルが少なく都市に比べて地価が安いため、比較的安価な価格帯で物件の購入が可能です。都内では1室分にも満たない資金でも、地方では一棟のアパートを所有できる場合もあります。

築浅で広めの部屋といった賃貸ニーズの高い物件を購入できれば、安定した家賃収入が期待できるでしょう。初期投資を抑えた利回りの高い投資ができる点がメリットのひとつです。

🔵売却益を狙える

「令和３年都道府県地価調査結果の概要」によると、地方四市（札幌市、仙台市、広島市、福岡市）は地価が上昇傾向です。今のうちに物件を安く購入し、高い価格で売却することで売却益を狙えます。今後の地価上昇率によっては、大きな利益も期待できるでしょう。

ただし、物件の価格は地価だけでなく、空室リスクのような他の要素も影響します。賃貸需要が下がらないエリアを選択するなど、売却益を狙う際にも物件選びは大切です。

参考：『令和３年都道府県地価調査結果の概要｜国土交通省』

３．地方都市で不動産投資をする際の注意点

地方都市の不動産投資にはメリットが多くありますが、注意したい点もいくつか考えられます。例えば、地方都市の物件は都心に比べて需要が低い傾向があるため、空室リスクや流動性リスクへの対策は必須です。ここでは、地方都市で不動産投資をする際の注意点を詳しく解説します。

🔵空室リスクが高め

地方都市は都心に比べて人口が少なく、空室リスクは高めです。不動産投資で得られる収益の多くは家賃や管理費であるため、空室の期間が長いほど赤字につながります。

空室リスクを抑えるには、なるべく賃貸需要の高い物件を選ぶ必要があるでしょう。賃貸需要を左右する要素は、物件の間取りや周辺環境とさまざまです。長期的な視点で考えると、人口が減少傾向にある地域は今後も空室リスクが高くなるため、不動産投資には向いていません。

🔵流動性リスクがある

地方都市は都心に比べて流動性リスクが高い点も気になる要素のひとつです。不動産投資における流動性とは換金のしやすさ、売れやすさを指します。一般的に地方の人口は減少傾向で、物件を購入したい方も都心に比べて多くありません。したがって、地方都市では物件が売れにくく、流動性リスクは高いといえます。

ただし、都市の規模やエリアの需要によっては売れる物件もあるため、長期的な需要を期待できる物件選びが重要です。

🔵融資の難易度が高め

地方都市の不動産投資では、融資の難易度が高めである点にも注意が必要です。融資が難しい理由として以下の2つが挙げられます。

・地方物件は空室リスクが高いため
・営業エリア外の物件に対する融資が難しいため

融資を受ける審査では「長期にわたって収益を得られる物件であるか」という点が判断基準のひとつです。地方の物件は都心に比べて空室リスクが高いため、融資が難しいといえるでしょう。また、営業エリア外の物件に対する融資を禁止している金融機関もあり、利用できる借入先が限られます。

４．不動産投資における地方と都心の違いは？

不動産投資はエリアによってメリットや注意点が大きく異なります。都心の場合、人口は増加傾向で家賃も高く設定できますが、物件価格は割高で、税金や諸経費が増えることに注意しなければなりません。ここでは、都心で不動産投資をするメリットや注意点を地方と比較して解説します。

🔵都心で不動産投資をするメリット

都心の不動産投資は以下のようなメリットがあります。

・空室リスクが低い
・賃料を高く設定できる

人口が多く増加傾向にある都心は、空室リスクが低めです。駅や商業施設が多く好立地と呼べる場所も点在しているため、ワンルームのような狭い間取りで築年数が経過した物件でも賃貸需要は落ちにくいでしょう。賃貸ニーズが高い分、賃料を高めに設定でき、高い収益を期待できる点が大きな強みです。

🔵都心で不動産投資をする際の注意点

都心の不動産投資においては以下のような注意点が考えられます。

・物件の価格が高いため、利回りを期待しにくい
・税金が割高
・地震に対する影響が懸念される

都心は物件価格が高いため、家賃を高めに設定しても実質利回りは低い基準で推移するケースが少なくありません。地価が高騰している地域は、固定資産税や都市計画税といった税金が割高です。さらに、都心では今後、首都直下型地震が起こり得ると予想されています。物件崩壊の恐れもあるため、耐震強度の高い物件を検討したほうがよいでしょう。

５．失敗しないために！地方で不動産投資を始める際の5つのポイント

不動産投資を始める際は考えられるリスクを洗い出し、対処法を検討すると安心です。都心に比べて人口が少ない地方では、特に空室リスクが問題になるため、賃貸需要の高い物件を選ぶ必要があるでしょう。ここでは、地方で不動産投資を始める際のポイントを5つ紹介します。

🔵1.賃貸需要が高いエリアにする

地方で不動産投資を始める際は、賃貸需要が高いエリアを選びましょう。地方の中には、人口が減少傾向にある地域やマイホームを購入する方の多い地域のような賃貸需要の低いエリアが存在します。

空室リスクを抑えるには、大学や転勤のある企業の周辺など、入居者が多い地域を選びましょう。廃校や企業の移動、商業施設の閉鎖といった環境の変化があっても賃貸需要の落ちにくい地域であれば、長期的に安定した家賃収入を得られます。

🔵2.広めの間取りにする

賃貸物件の間取りは、空室リスクを大きく左右します。地方の場合、ある程度広めの間取りを選ぶとよいでしょう。地方は自動車を所有する方が多く、都心と比べて立地へのこだわりが少ない傾向があります。

したがって、狭くて立地の良い物件よりも、多少不便でも広めの住居スペースを好む方が少なくありません。また、広めの間取りであれば、単身から子どものいる家庭まで幅広いニーズに対応できるため、空室リスク対策しても有効です。

🔵3.駐車場のある物件にする

地方は自動車を所有する方の割合が多く、駐車場付き物件のほうが需要は高いと考えられます。物件に駐車場がなくても、最低限、近所にリーズナブルな月極駐車場がある環境が好ましいでしょう。

地方には最寄り駅まで徒歩30分以上といった地域が存在し、自動車を1人1台所有している場合も少なくありません。このような地域で不動産投資をするのであれば、特に重視したいポイントです。

🔵4.信頼できる管理会社を選ぶ

自宅から距離の離れた地方で不動産投資を始める場合、管理会社の選択も重要です。距離があると、トラブルが発生したときにすぐに駆け付けられません。管理能力に長けた信頼できる会社に管理を委託すれば、いざというときに安心です。

地方は都心に比べて管理会社が少ないため、信頼できる会社が見つからなければ、無理に物件を決める必要はないでしょう。

🔵5.現地を自分の目で確認する

自宅から距離のある場所で不動産投資を始める場合でも、現地に足を運んで物件の状態や周辺環境を確認すると安心です。周辺の治安や駅までの距離感など、書類では分からない要素も多くあります。交通量や周辺住民の様子を自分の目で見ておくと、今後の人口推移が予測しやすいでしょう。

入居者目線で物件の需要を確認するためにも、現地視察の時間を作るように心掛けることが大切です。

６．マンション経営のノウハウはGALA NAVIでチェック！

地方での不動産投資は、ライバルが少なく高い利回りを期待できる点がメリットですが、空室リスクを避けるためにエリアや物件の選び方が非常に大切です。不動産初心者は1人で全て決めるのではなく、周りからアドバイスをもらうことをおすすめします。

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７．まとめ

地方での不動産投資は、都心に比べて物件価格が安く初期費用を抑えて始められます。中でも、人口100万人以上の都市のような長期的な賃貸需要が期待できるエリアがおすすめです。「間取りが広い」「駐車場が確保されている」など、地方だからこそ求められる物件の特徴も理解しておくとよいでしょう。

GALA NAVIでは、不動産投資を成功させるためのノウハウを学べます。正しい情報を習得して、地方での不動産投資に挑戦しましょう。

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