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マンション経営を法人化するメリットと注意点は?会社設立の手順も解説

マンション経営を法人化するメリットと注意点は?会社設立の手順も解説


マンション経営を法人化するメリットと注意点は?会社設立の手順も解説

マンション経営者の中には、法人化すべきかどうかを悩んでいる方もいるのではないでしょうか。法人化にはさまざまなメリットがあり、多少の手間暇をかけても会社を設立したほうがよい場合があります。

そこでこの記事では、マンション経営を法人化するメリットや注意点を解説します。法人化の手順のほか、法人化するか否かの判断基準についてもまとめました。

目次

1.マンション経営を法人化するメリット

マンション経営を法人化するメリット

マンションの法人化とは、会社を設立し、個人で行っていたマンションの所有・経営を法人に移管する方法をいいます。オーナーは法人設立時に出資し、法人から収入を得ることになります。マンションを法人化する最大のメリットは税制面ですが、他にも個人経営と比べてさまざまなメリットがあります。

🔵 所得税の節税になる

所得税は所得が多ければ多いほど高い税率が課せられる累進課税です。マンション経営での所得が高い場合、個人事業主として所得税を納税するより、法人化して法人税を納めたほうが税率は低くなります。所得税と法人税を比較して、どの時点で税率が逆転するか見てみましょう。

【所得税の税率速算表】

課税される所得金額 税率 控除額
1000円~194万9000円 5% 0円
195万円~329万9000円 10% 9万7500円
330万円~694万9000円 20% 42万7500円
695万円~899万9000円 23% 63万6000円
900万円~1799万9000円 33% 153万6000円
1800万円~3999万9000円 40% 279万6000円
4000万円以上 45% 479万6000円

参考:『所得税の税率|国税庁』

【資本金1億円以下の法人税率】

課税所得 800万円以下の部分 800万円以上の部分
法人税税率 15% 23.20%

参考:『法人税の税率|国税庁』

国税庁の表に当てはめて税額を計算すると、900万円の時点で所得税のほうが税率は高くなり、法人税のほうが有利になります。

【900万円の所得の場合の所得税と法人税の税額比較】
・所得税:900万×33%-153万6000=143万4000円
・法人税:(800万×15%)+(100万×23.2%)=143万2000円

🔵 相続税対策になる

マンションを法人化して相続人を役員や社員にすれば、相続税対策になります。家賃収入を役員報酬や給与として被相続人に支払っていけば、相続が発生した際の相続税課税対象額を減らせます。

また生前贈与では、暦年(1月1日~12月31日)で110万円以上になる場合は贈与税を納めなければなりません。しかし役員報酬や給与は贈与に当たらないため、合法的に次世代に財産の移転ができます。

🔵 入居者からの信用が高くなる

マンションを法人化すれば、入居者からの信用度が高まるでしょう。個人オーナーよりも、「会社を経営している」というステータスに信頼を寄せてくれる期待が持てます。従って、法人化は新規に入居者を募集する際の大きなメリットになります。

社会的信用も高まるため、金融機関の融資限度額や金利の優遇も期待できるでしょう。マンション棟数を増やす場合、条件面で有利になるかもしれませんと。

🔵 必要経費の範囲が広がる

マンション経営を法人化すれば、経費として認めらえる範囲が広くなります。個人事業では、家事消費を厳密に分ける必要があり、経費にできる範囲は限定的です。しかし法人化すれば、事業活動のために支出されたものは経費と計上できます。節税範囲は広くなるため節税しやすくなるでしょう。

例えば法人の場合、自動車や通信費・光熱費などの費用は全額経費計上できます。また個人の場合の生命保険控除額は、所得税で年間12万円・住民税は7万円と制限がありますが、法人保険では会社経費となり金額に上限はありません。

🔵 相続資産が分割しやすくなる

相続資産を分割しやすくなるのも、法人化のメリットです。例えば分譲マンションのような区分建物は物理的に分ける方法を取れないため、売却して相続人間で売却益を分けるか、1人が相続して他の相続人には相応の金額を渡すなどの方法を考えなければなりません。

相続人間で合意が取れれば問題ありませんが、不公平感が生じることもあり、トラブルの原因になりがちです。しかし法人化すれば、相続財産は株式になるため比較的容易に相続できます。

🔵 欠損金の繰越期間が長くなる

個人事業主の場合、赤字が出た際の欠損金として繰越可能なのは3年間です。しかし法人化すれば10年間と大幅に長くなります。

特にマンション購入の初年度は初期費用が大きいため、赤字になるケースは珍しくありません。翌年以降10年間にわたって赤字分を繰越できるのは、法人化の大きなメリットといえるでしょう。

2.マンション経営を法人化する際の注意点

マンション経営を法人化する際の注意点

マンション経営を法人化すると多くのメリットがありますが、反面注意しなければならないこともあります。費用面や税制などで不利になるケースもあるため、よく考え後悔しないようにしましょう。

🔵 会社設立費用や運営費用が必要

法人化するには初期費用がかかり、また運営費もかかります。登録免許税や定款認証手数料、定款謄本手数料などを支払って手続きしなければなりません。登記を司法書士に依頼する場合は報酬も必要です。

経理処理を個人で対応するのが難しい場合は税理士に依頼することになりますが、当然、税理士報酬が発生します。また、マンション経営が赤字で所得がない場合でも、法人住民税は納める必要があります。

🔵 税務調査の確率が高まる

法人税や所得税の申告を行うと、法人・個人事業を問わず税務調査が行われることがあります。税額申告を行った納税者に対し、実際に調査を行った件数を実調率といいます。国税庁が平成30年1月発表した「税務行政の現状と課題」によりますと、平成28年の実調率は個人の場合は1.1%に対し、法人は約3倍の3.2%に上ります。

参考:『税務行政の現状と課題|国税庁』

🔵 社会保険の加入が必要

マンション経営を法人化した場合には、たとえ代表取締役が1人だけの会社であっても、社会保険に入る必要があります。法人が加入を義務付けられている保険は健康保険だけでなく、厚生年金保険・介護保険にも加入しなければなりません。

健康保険と厚生年金保険の保険料は、会社と役員・従業員で折半しなければならないため、大きな負担になる恐れもあります。

🔵 不動産を移転する際は不動産取得税がかかる

個人で所有するマンションを法人化する場合には、不動産取得税と登録免許税を納めなければなりません。あらかじめ次のような税負担を考慮しておく必要があります。

【不動産取得税】
税額=固定資産税評価額×税率

税率
住宅 建物の固定資産税評価額×3%
建物の固定資産税評価額×3% 土地の固定資産税評価額×1/2×3%

参考:『不動産取得税の計算方法|東京都主税局』

【登録免許税】
税額=課税標準×税率

税率
土地 土地の固定資産税評価額×1.5%
建物 建物の固定資産税評価額×2%
抵当権設定 債権額×0.4% (※)※自己の居住の用に供する住宅など一定の条件を満たす場合は0.1%に軽減

参考:『登録免許税の税額表|国税庁』

なお登記を司法書士に依頼する場合には手数料が必要です。

【印紙税】

記載金額 印紙税額
5000万円以下のもの 1万円
1億円以下のもの 3万円
5億円以下のもの 6万円

参考:『印紙税額の一覧表|国税庁』

🔵 相続開始前3年以内の取得不動産は時価評価となる

マンションを法人化した場合、3年以内に取得した土地・建物は相続税評価額で評価されず、時価で評価されるため不利になりがちです。

一方、個人が所有する不動産を相続する場合は、3年というくくりがないため相続税を圧縮できます。従って、法人化してすぐに相続が発生すると不利になることを理解しておきましょう。

3.マンション経営を法人化する前に確認すること

マンション経営を法人化する前に確認すること

マンション経営を法人化すると、税制面や費用面などでさまざまなメリットを享受できますが、あらかじめ確認しておくこともあります。急いで法人化するのではなく、法人化しても問題が発生しないかよく確認しておきましょう。

🔵 勤め先の副業規定

会社に勤めながらマンション経営をしている方は、勤務先の副業規定を確認しておきましょう。副業を禁止している企業もあり、違反すると処罰を受ける恐れもあります。

また副業を禁止している会社であっても、不動産投資は許可しているケースもあります。会社の副業規定を見ても分からないときは、人事部や総務部に相談しましょう。

🔵 ローンに関する審査や手続き

マンション経営を個人から法人に名義変更する場合、抵当権を抹消しなければ法人に売却できません。マンションの売却価格がローンの残債を上回って入れば一括返済できますが、そうでない場合は債務の返済方法や初期費用・信用保証会社との調整などが必要です。

どのような方法で引き受けが可能か、審査や手続きについて早めに金融機関に相談しましょう。

4.マンション経営を法人化する手順

マンション経営を法人化する手順

マンション経営を法人化するには、まず基本的な事柄を決め、さまざまな書類を用意して手続きを進める必要があります。限られた時間内で準備するのは大変ですが、しっかり準備して進めましょう。法人化するために必要な流れは、通常次の5つのステップを踏みます。

🔵 1.会社の基本事項の決定

まずは、所有方式および法人の種類を決めます。所有方式には、土地を個人が持ち法人が建物を所有する「建物所有方式」と、法人が土地と建物を所有する「土地建物所有方式」があります。

建物のみを所有する方式では初期費用を抑えられますが、地代を支払わなければならないため収益性は悪化します。土地建物所有方式は、法人の収益性はよくなりますが土地取得費がかかります。

法人の種類は、株式会社あるいは合同会社にするのが一般的です。株式会社は合同会社と比べて設立費用は多少かかりますが、金融機関から高い評価を受けられるメリットがあります。

🔵 2.印鑑の作成

法人の印鑑は、代表社印や銀行印・会社角印・認印などを作成する必要があります。

・代表社印
法人の登記をするときに登録する印鑑です。印鑑登録をすれば実印となり、重要な契約書等には必要となるケースが多いです。

・銀行印
金融機関との取引の際に使用する印鑑です。代表社印で兼ねることも可能ですが、紛失リスクなどを避けるために別に作成したほうがよいでしょう。

・会社角印
社内文書や請求書・領収書など広い範囲で使われる印鑑で、会社名だけ彫刻します。

・認印
郵便物の授受など簡単な業務に使われる印鑑で、役職名と社名を彫刻します。

🔵 3.定款の作成

次に、法人の組織や運営についての根本的な規則を定めた「定款」を作成します。定款は法律の範囲内において自由に定められます。ただ、定款を作成するには会社法の知識が必要のため、難しい場合は司法書士に依頼するとよいでしょう。

🔵 4.必要書類の作成

必要な書類を作成・提出しなければなりません。主な書類には次のものです。

・法人設立届出書
・青色申告届出書
・給与支払事務所などの開設届
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
・消費税の新設法人に該当する旨の届出書

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書は、所得税納付を半年に一度にするための書類です。なお、消費税の新設法人に該当する旨の届出書は、資本金や出資金が1000万円以上の場合に提出します。

🔵 5.各機関での書類の提出・手続き

書類をそろえたら、株式会社の場合は公証人役場に行き公証人による定款認証が必要です。定款認証には紙による申請と電子定款による方法がありますが、電子定款を利用すれば印紙代を節約できます。合同会社の場合、定款認証は不必要ですが定款は作成しなければなりません。

定款認証を終えた後は、法務局で登記申請を行います。登記申請は郵送でもできますが、登記申請を受け付けた日が会社の設立日になるため、持参したほうがよいでしょう。登記審査は1週間~10日ほどかかるのが一般的で、審査完了後に登記事項証明書の取得が可能になります。

登記審査が完了したら、市役所と都道府県税事務所に次のような必要書類を提出します。

・法人設立届出書
・会社の登記簿謄本のコピー
・定款のコピー

5.法人化に向いているケースと避けたほうがよいケース

法人化に向いているケースと避けたほうがよいケース

マンション経営の法人化は、向いているケースもありますが、避けたほうがよい場合もあります。一度個人経営から法人に移行すると、簡単にやめるわけにいきません。法人化すべきかどうか、慎重に見極めて決めましょう。

🔵 法人化に向いているケース

所得税は所得額が増えると課税率が高くなる累進課税です。不動産所得が年間1000万円を超える場合、税率は所得税より法人税のほうが安くなるため設立を考えてもよいでしょう。

大規模なマンション投資を考えている場合も法人化に向いているといえます。理由は同じで、規模が大きいと収入が増えやすく、結果的に納める税金も増えるためです。

🔵 法人化は避けたほうがよいケース

反対に、小規模マンション経営を考えている場合、法人化する必要性はないことが多いです。所得が少なければ法人税より所得税のほうが税率を抑えられます。さらに会社設立にかかるコストや手間は軽いものではありません。

築年数が古いマンションを経営している方も、法人化するメリットが少ない傾向があります。老朽化したマンションは修繕せざるを得ない箇所が多く発生しがちで、どうしても経費がかかることになります。経費が増大し所得が圧迫されるため、法人化による節税効果は得られないかもしれません。

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7.まとめ

まとめ

マンションの経営規模がある程度大きければ、法人化するメリットは大きいといえます。しかし小規模なマンションや築古マンションのケースでは、経費や手間のほうが大きいため避けたほうが無難かもしれません。どちらにしろ、法人化は慎重に検討する必要があるでしょう。

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