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不動産投資の確定申告完全ガイド!必要書類や手順をチェック

不動産投資の確定申告完全ガイド!必要書類や手順をチェック


不動産投資の確定申告完全ガイド!必要書類や手順をチェック

個人で不動産投資をして利益が出た場合には、確定申告をしなければなりません。中には「領収書や請求書は保管する必要があるのか」「正しくできるか不安」というような方もいるでしょう。

そこでこの記事では、確定申告の手順や必要な書類、書き方などについて詳しく解説します。初めての方にもわかりやすく解説しており、スムーズな確定申告に役立つ内容です。

確定申告はやり方によっては税額に大きな違いが生じることもあり、賢く節税することで、実質的にキャッシュフローが増える効果も期待できます。不動産投資家として不可欠ともいえる、税務の知識を深めましょう。

目次

1.不動産投資で確定申告する際のポイント

不動産投資で確定申告する際のポイント

白色申告と青色申告の違いや赤字の場合など、不動産投資で確定申告をするにあたっては、ポイントとなる点が複数あります。メリットや注意点を理解した上で、自身の状況に合った選択をすることが大切です。まずは、確定申告の基礎的な知識を確認しましょう。

🔵 確定申告が必要なケース

不動産投資で確定申告が必要になるのは、原則として次の2つのケースです。

【ケース1】不動産所得が20万円を超える
※赤字の場合も含めて不動産所得(家賃収入-必要経費)が20万円以下であれば、確定申告は不要です。ただし、赤字の場合には、確定申告によって対象となる他の所得と合算(損益通算)することで、節税できる可能性があります。

【ケース2】不動産を売却して利益が発生した
※不動産取引による所得(譲渡所得)は申告分離課税で、他の所得との合算はできません。複数の不動産取引の損益を合算することは可能です。

🔵 白色申告?青色申告?

確定申告には、青色申告といわゆる白色申告の2種類があります。それぞれの概要をまとめました。

事柄 白色申告 青色申告
事前申請 管轄税務署への事前申請は不要 原則として申告する年の3月15日までに(※)管轄税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」を提出する
※新規開業の場合:事業開始より2か月以内(1月16日以後の開業の場合)
記帳方法 単式簿記による記帳でよい 帳簿は複式簿記による記帳が原則
帳簿の保存 帳簿は7年(一部5年)、書類は5年保存 帳簿・書類とも7年(一部書類は5年)保存
特典 青色申告特別控除(最大55万円 )が受けら
れる ※e-Taxによる電子申告の場合は65万円控除
赤字の3年間にわたる繰越しおよび前年への繰戻しが可能
要件を満たす事業専従者(配偶者等の家族)給与を控除できる(配偶者は最大86万円、その他の親族は1人につき最大50万円) 要件を満たす青色事業専従者(配偶者等の家族)給与を必要経費にできる
※事業的規模の場合
特例 30万円未満の少額減価償却資産の購入費について、年間合計300万円まで経費計上が可能(少額償却資産の特例)

※2022年9月現在

青色申告は事前申請が必要になり、帳票の作成も煩雑に感じがちですが、節税につながるメリットが数多くあります。これに対して白色申告は、帳票の作成は比較的簡単なものの、節税につながるようなメリットはありません。なお、不動産投資の青色申告特別控除額は、規模によって以下のように定められています。

・事業的規模でないとき:最高10万円(記帳は単式簿記でも可)
・事業的規模のとき:最高55万円
・事業的規模であってe-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存を行うとき:最高65万円

不動産投資で事業的規模とみなされるのは、原則として10室以上のアパート・マンションまたは5棟以上の独立家屋(例えば戸建住宅)を貸付けしている場合です。この数字はあくまでも目安のため、判断が難しいときは管轄の税務署に確認することをおすすめします。

参考: 『青色申告制度|国税庁』
参考: 『事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分|国税庁』

🔵 確定申告書「A」「B」の違い|不動産投資は確定申告書Bを使用

確定申告書には、「A」と「B」の2種類があり、それぞれ以下のようなケースに該当する場合に使用します。

・確定申告書A
所得の種類が給与所得や公的年金、その他の雑所得だけのときに使うもので、記入する内容が少なくすみます。例えば、会社勤めをしている方が住宅ローン控除や医療費控除を受けるために使うのは、確定申告書Aです。

・確定申告書B
所得の限定がないため、より広い範囲をカバーする様式になっており、記入項目も多くなります。自営業やフリーランスの方をはじめ、サラリーマンの方で不動産所得がある場合も、確定申告書Bを使用します。

なお 、令和4年分からは、確定申告書Aが廃止されます。これまで確定申告書AとBを使い分けていましたが、ひとつの様式に統一されます。

2.不動産投資の確定申告|準備と申告の流れ

不動産投資の確定申告|準備と申告の流れ

確定申告書の作成には、日々の取引について記入した帳簿やお金のやり取りがわかる書類、それらに基づいた損益計算書、貸借対照表、決算書といった書類が必要です。申告期日が迫って慌てて作業に取りかかった場合、書類の集め忘れやミスが起こりがちです。やり方や作成の流れを把握して、日頃から備えておくようにしましょう。

🔵 Step1.書類の準備

確定申告のために準備する書類には、以下のようなものがあります。申告書の作成に使うだけでなく、申告書に添付して提出する書類もあることに注意しましょう。

【収入に関する書類】

書類名など 内容・備考
賃貸借契約書 物件を貸す際に入居者と賃貸借契約を締結した際の書類
家賃明細書 管理会社が回収した家賃などを清算した明細

【必要経費に関する書類】

書類名など 内容・備考
不動産売買契約書 物件取得の際に売主との間で交わした契約書
税金の納付通知書 固定資産税、不動産取得税などの納付書
管理や修繕にかかった費用の支払額がわかる書類 管理委託契約書、領収書、請求書など
減価償却資産の取得価額がわかる書類 売買契約書、請求書など
借入金返済表 経費になるのは金利部分のみ

【他の所得などを証明する書類】
・源泉徴収票

【控除関連の書類】

書類名など 内容・備考
損害保険の支払額がわかる書類 控除証明書や領収書など
医療費控除に関する書類 領収書など
控除対象となる寄付金の領収書

🔵 Step2.決算書の記入

決算書は、帳簿や書類に基づき年間の収入・支出を計算し、利益(あるいは損失)を算出するためのものです。青色申告では青色申告決算書、白色申告では収支内訳書を作成しなければなりません。

青色申告決算書は、1ペ ージ目が損益計算書、2・3ページ目は損益計算書に記載する項目の内訳、4ページ目に貸借対照表という構成です。作業をスムーズに進めるために、2・3ページ目の項目内訳を完成させ、その内容を1ページ目の損益計算書に転記し、最後に貸借対照表を作成するのがよいでしょう。

🔵 Step3.確定申告書Bの記入

不動産所得がある場合に使用する確定申告書Bは、第一表と第二表で構成されています。なお、分離課税の対象所得がある場合は第三表、損失の繰越しがある場合などは第四表の作成が必要です。

・第一表
収入金額、所得金額、所得控除額の項目ごとの金額や税金の計算を記入する
・第二表
所得の内訳、所得控除に関する内容などを記入する

具体的には、準備した書類と青色申告決算書(収支内訳書)を使い、必要な項目を転記し、課税所得額を計算、税額を求め記入する流れです。

🔵 Step4.申告の手続き

確定申告書等を記入後、提出をすることで申告手続きが完了します。確定申告書の提出方法は、次の3通りです。

・郵送で提出
・窓口で提出
・e-Taxで提出

郵送の場合は、所轄税務署あるいは専担部署(センター)に郵便または信書便で送付をします。窓口で提出する場合は、所轄税務署の営業時間内に受付に持参、または時間外収受箱に投函をします。e-Tax(電子申告)を利用すると、スマホやパソコンで手軽に申告ができるので便利です。

書類提出後、期限内(3月15日まで)に所得税を納付します。
参考:『申告手続の流れ|国税庁』

3.不動産投資の確定申告|必要書類をチェック

不動産投資の確定申告|必要書類をチェック

確定申告は、申告書を作成する前の準備が大切です。ここでは、収集しておく必要がある書類を、「収入」「経費」「源泉徴収票」「控除」に分けて具体的に解説します。

書類には、再発行可能なものもあれば、できないものもあります。確定申告書の作成がスムーズに進められるように、チェックリストを作りこまめに整理しておくことをおすすめします。

🔵 収入に関わる書類一覧

収入に関する記帳をするために収集する書類です。不動産投資では、契約内容(物件の所在や借主の氏名、月額家賃、敷金・礼金など)や家賃の入金を確認できる書類が必要です。いずれの書類も税務署への提出は不要ですが、預金通帳は7年間(場合によって5年)、その他の書類は5年間保存しておかなければなりません。

書類名など 内容・備考
賃貸借契約書
家賃振込口座の預金通帳 直接、家賃徴収をしている場合
家賃送金明細書 管理会社・不動産会社に徴収を委託している場合

参考:『記帳や帳簿等保存・青色申告|国税庁』

🔵 経費に関わる書類一覧

経費に関する記帳をするために収集する書類です。不動産投資では、減価償却費、建物の維持管理や修繕にかかった費用、ローン金利といった項目が経費計上できます。いずれの書類も税務署への提出は不要ですが、5年間は保存しておく必要があります。

書類名など 内容・備考
税金の納付通知書 固定資産税・都市計画税・不動産取得税
借入金返済表 経費計上は金利部分のみ
減価償却資産の品目と取得価額がわかる書類 売買契約書、譲渡対価証明書、請求書など
管理費等が確認できる書類 管理会社への業務委託契約書など
修繕に要した費用が確認できる書類 請求書、明細書など
その他の不動産投資に関係した支出であることが確認できる書類

参考:『記帳や帳簿等保存・青色申告|国税庁』

🔵 源泉徴収票

確定申告書には、源泉徴収税額の記入欄があります。源泉徴収とは、給与や公的年金、退職金などからあらかじめ所得税を差し引くことを指し、源泉徴収票は、その税額などを記載した書類です。

源泉徴収税額は、不動産所得と合算した所得税を再計算するために使います。再計算して源泉徴収された税金が納めすぎになっていたときは、所得税が還付される仕組みです。

源泉徴収票が手元にあるか早めに確認し、ない場合は再発行の手続きしておきましょう。なお、2019年分までは確定申告書に源泉徴収票の添付が義務付けられていましたが、現在は添付不要 です。

参考:『国税関係手続が簡素化されました|国税庁』

🔵 控除に関わる書類

控除に関する記帳をするために収集する書類です。なお、所得控除を受けるためには支払いの証明書類を確定申告書に添付するか、提出時に提示しなければなりません。下記に一例を挙げました。

書類名 備考
社会保険料控除証明書 添付または提示
生命保険料の支払いを証明する書類 添付または提示
地震保険料の支払いを証明する書類 添付または提示
医療費控除の明細書 添付
セルフメディケーション税制の明細書 添付
各種寄付金の支払いを証明する書類 添付または提示

参考:『申告書の提出|国税庁』

4.不動産投資の確定申告|書き方をチェック

不動産投資の確定申告|書き方をチェック

不動産投資の確定申告では、確定申告書Bと青色申告決算書(白色申告では収支内訳書)を提出します。最初に青色申告決算書を作成した後、確定申告書Bに記入する流れです。税額を求めるために使うデータのため、帳簿や書類から転記する際には、ミスをしないように注意しましょう。まずは不動産所得の算出方法から解説します。

🔵 不動産所得の算出方法

不動産所得は、以下の式で求めます。

・不動産所得=不動産収入-必要経費

不動産収入には賃貸料(家賃)の他、共益費、更新料、礼金・保証金(返還の必要がないもの)が含まれます。※駐車場収入や太陽光発電の売電収入のよう に、ケース・バイ・ケースで不動産収入に含まれるものもある

必要経費として認められるのは、管理費や修繕費、減価償却費、固定資産税、損害保険料といった費用です。

参考:『不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)|国税庁』

🔵 収支内訳書・青色申告決算書の書き方

確定申告書Bの「収入金額等」および「所得金額」の項目には「不動産」の記入欄があります。ここに記入する金額を算出するために使うのが、青色申告決算書・収支内訳書(不動産所得用)です。

様式は異なりますが、貸借対照表を作成する以外の作業は基本的に同じであるため、ここでは、青色申告決算書を例に記入する内容や方法を3つのステップに分けて解説します。

【Step1】2ページ目:「不動産所得の収入の内訳」の記入欄へ記入する
※取引(契約)ごとに、不動産の所在地・賃借人の氏名・契約期間・貸付面積・賃貸料収入・礼金・資金といった明細を記入し、科目ごとの合計金額を計算します。

【Step2】3ページ目:「減価償却の計算」欄に物件・設備ごとの減価償却計算に必要な内容を記入し、年間の減価償却費合計や必要経費に算入する額を計算する

【Step3】1ページ目:「損益計算書」の必要な科目に金額を転記・記入し、不動産収入・不動産所得を算出する

【Step4】4ページ:「貸借対照表」を作成する

参考:『青色申告決算書(不動産所得用)の書き方|国税庁』

🔵 確定申告書の書き方

不動産所得がある場合に使用する「確定申告書B」は、「第二表」から作成します。

【Step1】第二表: 所得の内訳、所得控除に関する内容などを記入する
※用意した書類をもとにして、該当する項目に記入しましょう。

【Step2】第一表:「第二表」および「青色申告決算書」の数字をもとに、「収入金額等」「所得金額等」「所得から差し引かれる金額」の該当する項目に記入し、「税金の計算」の「課税される所得金額」を計算する

【Step3】第一表: 求めた税額を転記し、その他の必要事項の記入漏れがないことを確認する

5.不動産投資の確定申告│所得税や住民税の算出方法

不動産投資における所得税の算出方法は、次のとおりです

・所得税:課税所得額×税率-控除額

課税所得額は「(不動産所得+給与所得)-各種所得控除」で算出をします。所得税率は、課税所得額によって異なります。

課税所得額 税率 控除額
1000円から194万9000円 5% 0円
195万円から329万9000円 10% 9万7500円
330万円から694万9000円 20% 42万7500円
695万円から899万9000円 23% 63万6000円
900万円から1799万9000円 33% 153万6000円
1800万円から3999万9000円 40% 279万6000円
4000万円以上 45% 45%

参考:『所得税の税率|国税庁』

住民税は、所得に応じて税額が決まる「所得割」と、所得額にかかわらず税額が決まる「均等割」を合算して算出します。以下は、東京都の住民税算出方法です。

・所得割額:(総所得金額-所得控除)×税率(10%)-税額控除
・均等割額:都民税額(1500円)+市区市町村民税額(3500円)
※自治体によって算出方法が異なる場合があります。

参考:『個人住民税|東京都主税局』

6.不動産投資の確定申告|経費計上や減価償却で節税につながる仕組み

不動産投資の確定申告|経費計上や減価償却で節税につながる仕組み

減価償却費や不動産投資のために使った費用が節税につながるのは、経費計上することで課税所得が少なくなることが理由です。節税効果を高めるために、不動産投資で減価償却資産や経費にできる対象を正確に把握して、漏れなく経費計上しましょう。

🔵 不動産投資の「経費」とは

課税対象となる不動産所得の計算式は「不動産収入-必要経費」です。従って経費が増えれば所得が圧縮され、節税につながります。

ここでは、不動産投資で経費となる主な費用を3つのタイプに分けてまとめました。なお、減価償却費以外の「物件の取得に関係する費用」が経費計上できるのは、初年度だけです。また、通信費や交通費といった支出も、不動産投資に使った分については計上できることを覚えておきましょう。

【1】物件の取得に関係する主な費用

費用 備考
借入金の金利 土地部分の金利:不動産所得が黒字の場合のみ経費計上が可能
登記関連費用 司法書士への報酬など
租税公課 不動産取得税・登録免許税・印紙税
減価償却費 取得時に仲介手数料が発生した場合:建物の価格に含まれる

【2】物件の運用に関係する主な費用

費用 備考
管理費 ・共用部分の清掃や設備の点検・保守を自分で行う場合にかかる費用
・区分マンション投資では、管理組合に支払う
管理会社への管理委託料
修繕費 退去後のリフォーム費用、故障に伴う設備交換費用など
損害保険料 火災保険・地震保険など
入居者募集にかかる費用 仲介手数料、広告宣伝費など
租税公課 固定資産税・都市計画税
専門家への報酬 税理士、弁護士など

【3】不動産投資に使った分だけを算出すれば経費計上できる費用(一例)

費用 備考
通信費 電話代や切手代、インターネットの通信料など
交通費 電車賃やガソリン代など
交際費 お中元やお歳暮代など
新聞図書費 不動産投資を勉強するために購入した書籍など

🔵 減価償却による節税効果とは

減価償却とは、建物や設備機器のように何年にもわたって使用するものについて、経費計上を購入時に一括に行うのではなく、定められた期間にわたって計上する会計処理のことです。なお、建物や設備機器は時間の経過とともに価値が減少しますが、土地は価値の減少がないため減価償却できません。

減価償却費は、費用として計上すれば所得が圧縮されるため節税になるだけでなく、実際の支出がないため、実質的にキャッシュフローを増やす効果もあります。

また、青色申告では、30万円未満の償却資産については購入年に一括計上できる「少額償却資産の特例(年間合計300万円まで)」が利用できます。その年の収支状況に応じて使い分けるとよいでしょう。※2022年9月現在

参考:『中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例|国税庁』

🔵減価償却費の計算方法

減価償却費の計算方法は、次のとおりです。

・減価償却費=取得価額×償却率
※定額法の場合

「取得価額」とは建物の取得費用で、「償却率」は法定耐用年数に応じて定められています。例えば、新築の鉄筋鉄骨コンクリート造の建物の法定耐用年数は47年であり、償却率は0.022です。取得価額が5000万円であれば、1年あたりの減価償却費は「5000万円×0.022」で110万円となります。
参考:『減価償却資産の償却率等表|国税庁』

中古物件は、先に以下の方法で耐用年数を算出して減価償却費を計算します。

・築年数が法定耐用年数を超えている物件:法定耐用年数×0.2
・築年数が法定耐用年数を超えていない物件:(法定耐用年数-築年数)+築年数×20%
参考:『中古資産の耐用年数|国税庁』

7.不動産投資で還付金が受けられるケースとは|手続きや還付の時期

「損益通算」とは、赤字になった不動産所得を給与所得など(※)と合算して合計の所得額を圧縮することを指します。また、損益通算した所得の税額が源泉徴収されていた所得税額や予定納税額より少ない場合、差額は返還される仕組みとなっており、これが「還付金」です。※不動産所得との損益通算が可能な所得:給与所得、利子所得、配当所得、雑所得

還付金がある場合、確定申告書B第一表の右下にある「還付される税金の受取場所」の欄に、本人名義の金融機関の口座を記入しておけば振り込まれます。入金時期は確定申告書提出後1か月から1か月半程度が目安で、e-Taxを利用すればやや短縮される傾向です。

参考:『不動産所得が赤字のときの他の所得との通算|国税庁』

8.不動産投資の確定申告|e-Taxや役立つソフト

不動産投資の確定申告|e-Taxや役立つソフト

確定申告書の作成から提出までをオンラインで処理できるe-Taxを利用したいと考えている方も多いでしょう。また、会計や税務の知識に不安のある方にとって、画面の指示に従ってデータを入力していけば確定申告書が作成できる、会計ソフトも気になる存在かもしれません。それぞれの特徴やメリットについて説明します。

🔵 e-Taxの特徴とメリット

e-Tax(国税電子申告・納税システム)は、インターネットを通じて確定申告や税金の納付ができるシステムです。e-Taxを利用すれば、確定申告のデータ作成から提出までの作業を電子化でき、事務の省力化やペーパレス化が図れます。申告書を作成した後は、自宅にいながら提出できることもメリットでしょう。

e-Taxでは、データ作成者が本人であることを確認するための電子証明書取得に、マイナンバーカードが必要です。マイナンバーカードをもっていない方は、確定申告が始まる前に入手できるよう、余裕をもって準備しておくことをおすすめします。

参考:『国税電子申告・納税システム(e-Tax)をご利用ください|国税庁』

🔵 会計ソフトで帳簿付けを楽に

「正確に申告できるか不安……」といった方は、会計ソフトを利用するのもひとつの方法です。簿記の知識が薄い場合も、画面の指示に従って取引を入力することで、現金出納帳のような帳簿や損益計算書、貸借対照表、決算書を作成できることが魅力です。また、e-Taxに対応した会計ソフトでは、作成した申告書のオンライン提出ができます。

ただし、せっかくの会計ソフトもデータが正確に入力されていなければ意味がありません。領収書や請求書といった、入力に必要な書類の整理・保管が大切であることは、手書きで作成する場合と同じです。

また、作成した損益計算書、貸借対照表、決算書の内容を理解して、次年度以降の運用に生かすためにも、簿記や会計の知識をもっておくことが理想といえます。

9.確定申告をきちんとしないとどうなる?

確定申告をきちんとしないとどうなる?

確定申告をきちんとしない場合には、その内容に応じて、さまざまなペナルティーが課せられます。どのようなペナルティーがあるのかを知ることで、リスク回避への意識が高まります。ここでは、確定申告をきちんとしない場合に課せられるペナルティーについて、見ていきましょう。

🔵 無申告は無申告加算税が課せられる

確定申告書を法定申告期限(3月15日)までに提出していない場合は、ペナルティーとして無申告加算税が課せられます。無申告加算税とは、加算税(重加算税など)の一種で、本来納付すべき税額に対して15〜20%の割合を乗じた金額を罰金として支払います。

・納付すべき税額が50万円まで:15%
・納付すべき税額のうち50万円を超える部分:20%

なお、確定申告の提出忘れに気づき、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合は、加算される税率が5%に軽減されます。

参考:『確定申告を忘れたとき|国税庁』

🔵間違った申告にはペナルティーが課せられる

確定申告の納税額が本来納付すべき税額より少ない場合には、過少申告加算税が課せられます。加算税の一種で、本来納付すべき税額との差額の10%がペナルティーとして加算される仕組みです。

ただし、過少申告加算税が、当初の申告納税額と50万円とを比較して、いずれか多い金額を超える部分は税率が15%となります。

また、法定納期限(3月15日)までに税金を納付できていない場合は、延滞税が課せられます。法定納期限の翌日から納付するまでの日数に課せられる仕組みで、税率は以下のとおりです。

納期限の翌日から2か月を経過する日まで 「年率7.3%」か「特例基準割合+1%」のいずれか低いほう
納期限の翌日から2か月を経過した日以後 「年率14.6%」か「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低いほう

参考:『確定申告を間違えたとき|国税庁』
参考:『延滞税について|国税庁』
参考:『延滞税の割合』

🔵悪質な納税者には重加算税が課せられる

重加算税は、虚偽の記載や改ざん、所得隠しなど、意図的に仮装や事実を隠ぺいした場合に課せられる税金です。過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税の代わりに課せられます。

・過少申告加算税に代えて課す場合:増差額の35%
・無申告加算税に代えて課す場合:本来納付すべき税額の40%
・不納付加算税に代えて課す場合:本来納付すべき税額の35%

内容が悪質なため、ペナルティーは非常に重くなります。

10.税務の知識も「GALA NAVI」にお任せ!

不動産投資で確定申告をする際は、正しい税務や会計の知識に基づいて、キャッシュフローの増加につながるように賢く節税することを心掛けましょう。「確かに節税できているが、手元資金がなかなか増えない」といった状況に陥っては本末転倒です。

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11.まとめ

まとめ

不動産投資の確定申告では、経費計上や減価償却を活用することで節税が可能です。また、申告方法や事業の規模によって、納税額が大きく変わることにも注意しましょう。例えば、青色申告を選択すれば最大65万円の特別控除が受けられます。

作成した決算書や貸借対照表を分析し、今後の不動産投資に役立てることも大切です。登録費・年会費無料の「GALA NAVI」で良質な情報を入手して、不動産投資に必要な幅広い知識を身に付けましょう。


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