不動産投資の空室対策|家賃の値下げ前に確認したいポイント
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不動産オーナーは、誰もが空室は避けたいと考えていると思います。
特にワンルームマンション投資では、その部屋が収入の100%を占めるので空室の影響は深刻です。
だからといって安易に「家賃を下げよう」という決断をしてしまっては、後に経営が行き詰ってしまうかもしれません。
入居者が決まらない原因を探り、改善を計るのが不動産賃貸業というものです。
そこで今回は、不動産賃貸業で代表的なワンルームマンションの空室対策をご紹介します。
空室対策の重要性とは?
不動産投資における空室対策は、下記要因により非常に重要な経営課題です。
安定収入
不動産投資は家賃収入を利益として獲得するため、空室が多いとその分だけ収入が減ってしまうのです。
空室対策を実施し、満室にしておくことで支出を上回る収入を得やすくなります。
物件の価値を維持できる
空室が多いと需要が少ないと金融機関や不動産業者が判断するため、売却時に損失を出す可能性があります。
しっかりと入居者を集めて空室対策を行うことで物件の魅力や競争力が高まるため、価値を維持できます。
故障や汚損などのトラブルを防げる
空室が多いと物件の管理やメンテナンスがおろそかになり、故障や汚損などのトラブルに気付かないことがあります。
空室対策のなかには物件のメンテナンスが含まれており、メンテナンスが行き届いている物件には多くの入居者が集まるものです。
まず、内見の数を確認してみよう
入居者の多くは入居検討中に内見をしますので、入居の「入り口」といえる内見の数は多いほうが成約の可能性は高まります。
また、日当たりや設備など、部屋の状態を実際に確認し、納得していただいたうえで入居してもらうほうが、後々のトラブルにつながりにくく、オーナーとしても安心できます。
内件の数を確認し、もし内見者自体が少なかったとしたら、それは部屋に興味を持ってくれている方が少ないということです。
逆に、内見者がいるのに入居者が決まらないのでしたら、興味は持って来てくれるのに決め手に欠けているということです。
内見の数を聞いても、それが多いのか少ないのか判断するのが難しいかもしれません。
似たような他の物件の内見の数と比較したり、前年の同じ時期と数を比較したり、あるいは一定期間ごとに数を確認するなど、記録として分析ができるようにしておきましょう。
以降では、内見者がいる場合といない場合に分けて解説します。
内見者がいない場合の空室対策
こちらでは、内見者がいない場合の空室対策をご紹介します。
広告や募集資料を改善する
内見者が少ないケースでは、広告で使用している写真が暗かったり、写りが悪かったりして悪い印象を与えてしまっている可能性があります。
最近は、内見をせずにインターネットで部屋を決めてしまう方も増えているようです。
インターネットで部屋探しをする方にとっては、インターネットに掲載されている写真がそのまま内見の役割を果たしますので、写真の重要度はより高くなります。
他の似たような物件に埋もれてしまわないように、室内動画を取り入れるなど、広告の内容を見直してみましょう。
物件設備を充実化させる
物件の設備についても、現代のニーズやライフスタイルに合わせることも重要です。
例えば、インターネット通販の拡大による宅配の増加も見逃せないポイントです。
インターネット通販が当たり前に使われる現代において、不在でも宅配物の受け取りができる宅配ボックスの有無は、部屋探しの大きなアピールになり得るでしょう。
他にもTVモニター付きインターホンや浴室暖房乾燥機などの利便性の高い設備についても、部屋探しの重要なポイントのひとつになっています。
現在、設備としてないのであれば、導入を検討してもいいかもしれません。
入居条件やターゲットを見直す
不動産のなかには物件の価値を維持するため、特定の条件に該当する人の入居を断るところがあります。
「高齢者不可」「外国人不可」「ペット不可」といったものが条件に該当し、これらに該当すると入居ができません。
しかし、近年ではライフスタイルの多様化にともない、これらの条件を見直している物件が増加傾向です。
これまで限定的だったターゲットを拡大することで、新たな入居者を発掘することができるでしょう。
一方、条件を緩和する際は既存の入居者に迷惑が掛からないように、安全性や快適性を確保しなければなりません。
場合によっては防音性能を高めたり、原状回復費用の見直しなどの条件を変更したりしましょう。
オンライン内見の導入を検討する
内見は実際に物件の様子を確認できるイベントであり、ほとんどの人が現地を訪問して自分の目で確かめます。
しかし、単身赴任や大学生の一人暮らしなど、なかなか内見ができないといった人は少なくありません。
そのような背景を持つ人の、内見に関するハードルを下げるために、オンライン内見の導入を検討してみましょう。
かつて流行病が世間でまん延していたとき、多くの不動産会社が接触を避けるためにオンライン内見を導入しました。
内見のしやすさを高めることで物件の魅力をアピールしやすくなり、結果として空室対策となります。
内見者がいるのに入居者が決まらない場合の空室対策
内見者がいるのに入居者が決まらない場合は、下記の空室対策を実践しましょう。
入居に至らなかった理由を探る
多くの内見者がいるのに成約に至らない場合は、仲介会社に内見者の様子や断りの理由を聞き、足りなかった点を埋めていくようにします。
理由が分からないときは、広告と現物のギャップがあるのかもしれません。
広告で感じた期待感が得られないと、契約には至りません。
共用部分の管理状態を改善する
また、部屋だけでなく共用部分の管理も確認することが大切です。
内見は建物に入った時点から始まっています。清掃や照明など、共用部分の状態が悪いと思ったら、管理会社に連絡しましょう。
リノベーションを検討する
先述の通り、空室対策のひとつとして、現代のライフスタイルに合わせた設備を用意することが重要です。
物件の内装や設備を改善することで見た目や快適性を向上させられるため、リフォームやリノベーションは有効な施策です。
しかし、リフォームやリノベーションはほかの施策と比較すると多くの費用が発生します。
せっかくリノベーションをしても入居者が集まらなかった場合、リノベーション費用がムダになってしまいます。
リノベーションによる空室対策のなかには、下記のような施策が含まれます。
設備のリノベーション
設備のリノベーションとは、モニター付きのインターホンを設置したり、あらかじめエアコンを設置したりすることになります。
入居者が現代のライフスタイルに合わせて、快適な生活を送ってもらえるように設備のリノベーションを行います。
また、近年ではパソコンやスマートフォンの技術が発展しているため、無料のインターネット回線を引くこともおすすめです。
ターゲットに合わせて、どのような設備が喜ばれるのかを考えることで、最適な設備投資ができるでしょう。
内装のリノベーション
内装のリノベーションとは、壁を抜いて1室を広くしたり、ユニットバスを浴室とトイレに分けたりすることを指します。
間取りが特に問題なかった場合、畳をフローリングに貼り替えたり、既存の壁紙を新しいものに貼り替えたりすることがあります。
内装のリノベーションを行う際も、入居してほしいターゲットを明確にしておくことが重要です。
ひとり暮らしの場合は部屋数が少なくて広い部屋に、家族の場合は部屋数が必要になるなど、背景を考えるようにしましょう。
フリーレントの実施を検討する
フリーレントとは、入居時に一定期間の家賃を免除できる制度であり、ターゲットは条件緩和されるため入居率が高くなります。
一般的には1ヶ月から3ヶ月分の家賃を免除しており、ターゲットは経済的なメリットを直接得られます。
一方、フリーレント制度については認知している人が少ない傾向にあるため、プロモーションが必要になります。
また、収支を考えずにフリーレントを導入すると赤字経営となってしまうため、期間や条件の設定が重要です。
期間後は通常の賃貸費用よりも高額に設定したり、最低居住年数を示したりすることが対策として挙げられます。
フリーレントに限らず、不動産投資は短期的ではなく、中~長期的な目線で考えることが重要です。
どうしても家賃を下げる場合は、周辺物件の競合をチェック
これらの方法を試しても、どうしても空室が埋まらないのならば、近隣の家賃を改めて確認します。
同じような条件でより安い家賃の部屋が周囲に多いようでしたら、家賃を下げるのも仕方がないかもしれません。
しかし下げる際は慎重に決断してください。というのも、一度家賃を下げてしまうと、価格を戻すのが大変だからです。
家賃を下げる代わりに、一定期間家賃を無料にする「フリーレント」を活用するのもひとつの方法です。
家賃はそのままで家賃を下げたのと同じような効果を与えることができます。
フリーレントは通常1~3カ月程度ですが、月の途中で引っ越す場合の「日割り分無料」や「2週間無料」など短期間での設定も検討してみてください。
家賃を下げるのは最後の手段! その前にできる空室対策は多い
空室だからといって家賃を下げる前にできることはたくさんあります。
仲介業者や管理会社などの専門家に相談するなど、空室の原因を探りながら、効果的な空室
対策を考えていきましょう。
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