任意売却物件って何? 購入時に確認すべき3つのポイント
任意売却物件って何? 購入時に確認すべき3つのポイント
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家を購入する際には、不動産会社で物件を紹介してもらったり、自分でインターネットの情報サイトを閲覧したりするものですが、まれに相場よりも格安な中古物件があります。それは、もしかしたら「任意売却物件」かもしれません。任意売却物件とはどのような物件なのでしょうか。
任意売却物件とは
任意売却物件とは、売却に至る経緯や手続きが通常とは異なる「訳あり」の物件のことです。「訳あり」という意味では競売と似ていますが、競売では抵当権者である金融機関等は物件の売却に所有者の同意を必要としません。しかし、任意売却では所有者と金融機関の合意のうえで売却します。
一般的に、任意売却は所有者である売主が住宅ローンを返済できなくなったとき、住宅ローンの清算をするために行われます。そのため、物件としては通常の中古物件ですが、通常物件と違い、売物件の住宅ローンが終わっていません。つまり、融資元金融機関等の抵当権が付帯しているのです。
通常、抵当権についてみると、売主は「債務者」となり、債権者は住宅ローンを融資した金融機関となります。ただし、任意売却は金融機関の承諾を得て行われるため、任意売却の時点で住宅ローンは残っていても、最終的に抵当権は抹消されます。とはいえ、任意売却物件を検討中の段階では、まだ抵当権が付帯されたままであることは知っておいたほうがいいでしょう。
任意売却物件のメリットとデメリットは表裏一体
任意売却物件のメリットとデメリットについてみていきましょう。
任意売却物件のメリット
任意売却物件は競売と違い、内覧が可能です。競売よりも時間的な余裕もあるので、売主と交渉したり、吟味したりすることもできます。
また、確実に売却できるように、お得な価格の物件が多いのもメリットのひとつです。基本的には「住宅ローン代金の回収」が目的ですので、売主の住宅ローン残高が少なければ、お値打ち物件が見つかるかもしれません。ただし割安なのは、売却の確実性だけが理由ではありません。次にご紹介するデメリットを見込んで低めの価格に設定されている場合もあります。
任意売却のデメリット
先ほど、任意売却物件は競売と比較すると時間的余裕があると説明しました。とはいえ、住宅ローン返済の見通しが立たなくなった場合に行うものですので、成約が遅れると競売になってしまう可能性もあります。購入を検討するときには、いつまでに返事をするのか、先方に伝えておくといいでしょう。
また、通常の売却であれば、高く売るために家の補修やリフォームを行ってから売りに出すことが多いですが、任意売却物件の場合は修繕されずに売却されることもあります。さらに、売主の経済状況を考えると、瑕疵担保責任が免責になっている可能性もあります。
瑕疵担保責任の「瑕疵」とは、簡単にいうと欠陥のことです。ただし、見ればわかる明らかな欠陥は、「承知のうえで購入した」と見なされますので、ここでいう「瑕疵」とは隠れた欠陥のことを指します。例えば、見た目では気付きにくい雨漏りやシロアリなどです。瑕疵担保責任が付帯されていれば、購入後に欠陥に気づいた場合でも、契約の解除や損害賠償を請求することができます。しかし免責になっていると、そのような措置を取ることができません。
任意売却物件はここをチェック! 重要ポイント3つ
お得な面もありますが、デメリットもある任意売却物件。お得な部分を活かしながら、デメリットを回避する3つのポイントを紹介します。
ポイント1:物件確認は念入りに
瑕疵担保責任が免責になっているケースが多いですが、仮に瑕疵担保責任が付帯していたとしても、経済状況を考えれば損害賠償に応じてもらうのは難しそうです。そこで、物件を実際に確認できる「内覧」は必ず行うようにします。さらに、中立の住宅診断士が物件を検査してくれる住宅診断(ホームインスペクション)は、費用が掛かってもしておきましょう。
ポイント2:状況やスケジュール確認はこまめに
抵当権が抹消される時期や、抵当権債権者が誰であるかは必ず確認します。住宅ローンの借入先は一つとは限らないため、抵当権債権者が複数いる可能性もあります。また、抵当権の解除手続きをする関係上、通常の売買よりも引き渡しに時間がかかるかもしれません。購入にあたって引き渡し時期の希望がある場合には、早い段階で売主に希望を伝え、間に合うように調整してもらいましょう。
ポイント3:物件価格以外のお金も確認
持ち家には、マンション管理費や修繕積立金、固定資産税などの固定費がかかります。しかし任意売却物件の場合、売主にそういった費用を支払う余裕がなく、滞納していることがあります。多くのマンションでは、滞納した管理費や修繕積立金の支払い義務は、新たな所有者が引き継ぐことになります。もしも滞納がある場合は、滞納分を支払ってもらうか、購入代金から滞納分を差し引くように交渉したほうがいいでしょう。
なお、年ごとに支払い義務が発生する固定資産税は、引き渡し日で年間負担分を分担しあうのが通常です。固定資産税の滞納の支払い方法についても確認しておきましょう。
任意売却物件は特徴を知って購入したい!
任意売却物件は基本的には通常の中古物件と同じですが、売却に至る経緯や関係者の構成が通常と異なります。とはいえ、特徴を理解すれば注意すべき点もみえてきます。反面、一見お値打ち物件に思えても、状況を確認してみるとそれほどお得でないこともあり得ます。購入の是非はメリット・デメリットをよく見極めてから決定するようにしましょう。
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