ペイオフは資金をどこまで守ってくれる? 大切な資産を自分で守るペイオフ対策

ペイオフは資金をどこまで守ってくれる? 大切な資産を自分で守るペイオフ対策

ペイオフという仕組みをご存知でしょうか。一般的に銀行にお金を預ける「預金」にはリスクがないとされていますが、銀行自体が経営破綻しまうと預金が引き出せなくなります。そのようなときのために預金を守る保険制度がペイオフです。しかし、ペイオフには保護対象の範囲や上限があり、万能ではありません。大切な資産を守るため、ペイオフの仕組みや対策について確認していきましょう。

ペイオフの成り立ち

ペイオフとは、端的にいえば「保険」の仕組みを利用した預金者の資産保護制度のことです。ただし、「金融機関が加入する保険」のため、預金者が別途保険に申し込んだり、保険料を支払ったりすることはありません。
保険制度を維持・運用する機関は「預金保険機構」です。ペイオフは預金制度の安定性を守る重要な制度であり、預金保険機構の委員等は、理事長が内閣総理大臣および財務大臣の認可を受けて任命されるなど、公的な側面も併せ持っています。
預金保険制度による預金保護は、主に「保険金支払方式」と「資金援助方式」の2つがあります。

  • 保険金支払方式
  • 金融機関が破綻することで、預金が引き出せなくなる事態が起こり得ます。そのような状況になっても、預金者に直接保険金を支払うことで、預金者の預金を保護します。払い戻しはすべての預金者に平等に行われます。

  • 資金援助方式
  • 金融機関等に資金援助を行う方法です。直接的に金融機関を救済し、破綻に伴う混乱の収拾を図ることで、預金者の預金を保護します。
    一般的に金融機関が破綻した場合の保護では、「保険金支払方式」よりも「資金援助方式」が優先されます。「保険金支払方式」で預金を保護するよりも、混乱の元である金融機関を救済したほうが、最終的には事態の収拾が速やかであると考えられるからです。

ペイオフで保護される対象や範囲

ペイオフで保護される資産の対象や範囲についてもご紹介します。

  • 保護される主な資産
  • 一般預金では、利息のつく普通預金・定期預金・定期積金などが保護対象です。決済用預金としては、当座預金や利息のつかない普通預金等も保護対象です。一方、外貨預金等は保護対象外となっています。

  • 保護の上限
  • 預金者1人当たり元本1,000万円までと破綻日までの利息が保護されます。1つの金融機関に複数の口座がある場合は合算して計算します。保護超過分は、必ずしも払い戻しが行われないわけではありません。破綻した金融機関の状況に応じて支払われますが、保護上限を超過した金額は払い戻しが減額される「可能性がある」と考えておいたほうがいいでしょう。

  • 対象の店舗
  • 国内に本店がある金融機関は、法律により預金保険制度への加入が義務付けられています。ただし、日本の金融機関でも海外支店の預金は保護対象外です。

ペイオフ対策が必要な3つのケース

1.金融機関当たり1,000万円の預金

確実に預金保護されるのは、元本ベースで1つの金融機関当たり1,000万円です。この額を超える場合はペイオフ対策を考慮しておきたいところです。ペイオフ対策としては、「利用する金融機関を分ける」方法が一般的です。

2.金融機関の合併

資金を分散させる場合に注意したいのが、金融機関の合併です。元本1,000万円以内で資産を保有していても、合併によって1,000万円を超えてしまう可能性があります。
実は金融機関が合併すると、合併金融機関の数だけペイオフの上限が増えます。例えば2行合併なら、「1,000万円×2=2,000万円とその利息」が上限です。しかし、上限が合併の数だけ増える措置は1年間のみです。また、合併に伴う上限の引き上げは、あくまで特例措置です。今後は特例が撤廃される可能性もあるので、動向に注意を払うことが必要です。

3.外国の金融機関や海外支店の預金

外国銀行の日本支店、保険制度に加入している日本の金融機関でも海外支店の預金は保護対象外です。また、郵便局や農業協同組合、漁業協同組合などは別の保険制度が適用されますので、こちらも保護対象外です。

おすすめのペイオフ対策

前述のように、複数の金融機関を利用するタイプのペイオフ対策では、合併が思わぬ落とし穴になりかねません。近年は業績が苦しい金融機関も増えてきており、今後、合併などによる金融業界の再編も活発化するだろうと予想されています。
合併は「地銀と地銀」「信用金庫と信用金庫」など同じ種類で、地域的にも近い金融機関同士でなされるケースが多いものです。そのため、利用する金融機関の傾向が偏らないようにしておくといいでしょう。
預金以外に資産を分散させる資産分散の視点も持ちたいものです。仮に資産が預金だけであれば、まずは投資信託や国債等を資産に組み入れてみましょう。資産分散効果のみならず、分配金や商品の値上がり益が手に入る可能性があります。
投資信託や国債等をすでに保有している方も、ペイオフ対策を契機に資産ポートフォリオを見直してみましょう。すでに金融商品を保有している投資経験者ならば、不動産投資などの現物資産を持つ選択肢もあります。金融資産と現物資産を併せ持つことで、ペイオフ対策にとどまらず、広い意味で資産のリスク分散が見込めます。

ペイオフをよく知って資産を守ろう

ペイオフは預金者にとって頼れる制度です。上限や保護の対象などの仕組みをしっかり理解し、預金以外の資産分散も視野に入れながら、大切な資産を守っていきましょう。

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