市場のニュースに一喜一憂したくない!株価安定のディフェンシブ株とは
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株を保有していると、日々の景気動向や日経平均の値動きが気になるものです。しかし、ネガティブなニュースを聞くたびに株価の心配をしたり、常に景気動向を気にかけていたら、気持ちが休まりません。このように景気動向を気にして気持ちが休まらない方には、景気動向に業績が左右されにくい「ディフェンシブ株」の購入がおすすめです。今回はディフェンシブ株についてご紹介します。
ディフェンシブ株とはどのような銘柄を指すのか
ディフェンシブ株とは、景気や世界情勢が不安定でも需要が変わらない企業の銘柄のことをいいます。例えば、生活必需品は不景気だからといって買い控えの対象になりませんし、体調が悪ければ薬を飲みます。そのような為替変動や原油価格などの外部要因に左右されにくい銘柄がディフェンシブ株なのです。
ディフェンシブ株の代表的な業界としては、不景気でも需要が減りにくい食品業界や医薬品関連業界、生活するうえで欠かせない電力、ガス、交通、通信など公益性の高い業界があります。
一方、ディフェンシブ株と反対の性質を持つ銘柄は「景気敏感株」と呼ばれます。鉄鋼や化学などの素材産業、自動車産業や機械産業のようにモノを生産する業界が該当します。モノの製造は、景気がいいときは生産が増えますが、不景気になると需要が低迷し、生産が抑えられるためです。
ディフェンシブ株の見極め方
ディフェンシブ株を見極めるには、日経平均やTOPIX(東証株価指数)などの経済指標と、自己資本比率や自己資本利益率(ROE)など個別企業の業績を示す指標を組み合わせて判断します。
代表的な経済指標と比較する
ディフェンシブ株に分類される銘柄ならば、それで安心とは必ずしもいえません。業績の安定性も重要です。業界や株価などで銘柄候補をある程度を絞ったら、今度は代表的な経済指標と比較します。ここでのポイントは、指標の変動と同様の値動きをする銘柄ではなく、値動きが安定している銘柄を選ぶことです。
▶日経平均
東証1部上場銘柄から代表的な225銘柄をもとに計算した指数です。採用銘柄は定期的に見直されていますが、母数が多くないため、株価が高い銘柄の影響を受けやすいという特徴があります。なお、日経平均の銘柄として採用されているディフェンシブ株もあり、不況時にはディフェンシブ株が日経平均をけん引することもあります。
▶TOPIX(東証株価指数)
東証1部上場全銘柄を対象として算出した株価指数です。1968年1月4日が基準日となっており、当時の時価総額を100としています。日経平均株価より母数が大きく、市場全体の値動きが判断できるとされていますが、それでも時価総額の大きな銘柄の影響を受けやすいです。
株価の実力を計る代表的な指標
日経平均やTOPIXなどの経済指標で値動きの安定性を確認したら、個別銘柄の指標もチェックします。個別銘柄の指標は数多くありますが、安定性を計るならば「自己資本比率」と「ROE」の2つは押さえておきたいものです。
▶自己資本比率
企業の総資産に対する自己資本の割合です。資本には銀行や株主などから借り入れたお金(他人資本)と、企業の自己資本があります。自己資金は返済の必要がなく、返済利息が発生することはありません。また、経済状況に応じて素早く資金を投下できます。そのため、自己資本の割合が高い企業は経営の安定性が高いとされています。
▶ROE(自己資本利益率)
企業の自己資本に対する当期純利益の割合です。当期純利益を自己資本で割って算出することから、投下した自己資金に対してどれだけ利益を上げているか、自己資金を有効に活用しているかなどが判断できます。株主の立場から見ると、ROEが継続して高い企業は「株主が投資したお金を活用して効率よく利益を上げている会社」であると判断ができ、今後の収益性の安定、そして株主への利益還元が期待できます。
このような指標を通じて、より安定した銘柄を選んでいきましょう。また、株価の割安性や株主還元(配当)も考慮したい場合には、次のような指標にも注目します。
▶PER(株価収益率)
PERは、主に利益に対して株価が割高か割安かを判断するために用います。株価を「1株当たり利益」で割った数値で、株価が「1株当たり利益の何倍か」を計る指標です。基準となる数値があるわけではないので、「同業他社と比較する」「該当企業の株価の推移を計る」などの用途で利用します。
▶配当利回り
株価に対する年間配当金の割合で、「1株当たりの年間配当金」を現在の株価で割って算出します。配当金は会社の業績に応じて決定するため、今後の利回りを約束するものではありませんが、配当を重視する方にとっては見逃せない指標です。
PERや配当利回りはディフェンシブ株かどうかを判断する指標ではありませんが、複数銘柄のうちどの銘柄を購入するか、迷ったときの比較材料として有効です。
より安定したディフェンシブ株を見つけるために
指標の比較や数値の確認とともに、企業の決算書から情報を読み取れるようになるとさらに安心です。なぜならば、決算書はその企業の業績が要約されている情報の宝庫だからです。決算書は企業のHPから無料で閲覧できるのもポイントです。ボリュームが多いので、ポイントを押さえて情報を読み取っていきましょう。特に重要なのは「貸借対照表」と「損益計算書」の2つです。
▶貸借対照表
資産と資本をまとめたものです。「資本=資産」であり、資産は大きく「自己資本」と「負債(他人資本)」に分かれています。表の左半分を「資本」、右半分を「資産(自己資本+負債)」と表すのが基本です。
資産の大きさは企業の大きさにつながりますが、資産が大きくとも負債が多くては不況時には安定した経営は厳しくなります。そこで、貸借対照表では自己資金が潤沢かどうかを確認します。資産の内訳を知ることで、その企業の「体力」が見えてきます。
▶損益計算書
売上高から原価や経費を引いて利益を算出したものです。ただし「利益」は1つではありません。売上高から差し引く経費や種類によって、次の5つに区別されます。
・売上総利益:「売上高」から仕入れ額や原材料費などの原価を引いた本業の利益
・営業利益:売上総利益から販売費や営業費などを差し引いた利益
・経常利益:営業利益に営業外利益を足し、そこから利息や返済金などを差し引いた利益
・税引前純利益:経常利益から臨時利益と臨時損失を加味した利益
・純利益:税引前利益から法人税や住民税を差し引いた利益
表面上の利益ではなく、経費を差し引いた本当の利益が見えるため、企業の「稼ぐ力」を見極めることができます。すべてを理解するのが難しいときは本業の稼ぐ力がわかる「経常利益」、そして最終的な収益である「純利益」を確認するといいでしょう。
ディフェンシブ株で経済ニュースに振り回されない投資を
ディフェンシブ株を選ぶと、株式投資が安定します。個別材料や市場ニュースに振り回されず、長期的な視野で運用することができるようになるでしょう。ただし、ディフェンシブ業界のなかにもさまざまな銘柄がありますので、経済指標や決算書で確実にチェックしたうえで判断しましょう。
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