実物資産と金融資産でリスクヘッジする
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効率的な投資には、値動きの異なる複数の資産に分散して投資をする分散投資が有効とされています。分散投資には地域や商品を分けるなどさまざまな考え方がありますが、まずは金融資産と実物資産を分散して保有するというのが、わかりやすい方法でしょう。今回は、金融資産との違いと実物資産に投資するメリット・デメリットについて紹介します。
金融資産と実物資産の特徴と違い
最初に、金融資産と実物資産の特徴や違いをご紹介します。金融資産は現金や預金、投資信託や株式、保険など、いわば「実体のない」資産のことを指します。一方、実物資産は「実体のある」資産のことで、その対象は金やプラチナ、美術品、不動産などです。さらに穀物や燃料など、数多くの“モノ”が対象となります。
どちらの資産への投資も、値上がりによる売却益(キャピタルゲイン)を得ることができますが、資産を保有中に得られる収益(インカムゲイン)は異なります。金融資産ならば配当や利子が、実物資産ならば家賃収入等がインカムゲインに該当します。
実物資産は、その“モノ”自体に価値がある点が大きな特徴となっています。ただし、金やプラチナ、美術品など、実物資産はインカムゲインのないものが大半です。家賃収入や地代などのインカムゲインが得られる不動産投資は、実物資産のなかでは特別な魅力を持つといえるかもしれません。
実物資産に投資するメリットとデメリット
実物投資について、一般的なメリットとデメリットを紹介します。
実物資産投資のメリット
金融資産と併せて保有することで分散投資となり、リスクヘッジ効果が得られます。特に注目したいのがインフレです。実物資産はインフレに強いので、インフレに弱いとされる金融資産と併せて持つことで、金融資産の価値が下がる局面でも資産を守ってくれます。実物資産はまた、金融資産と比較して値の急落もあまりないとされています。資産運用におけるリスクを全体的に緩和する有効な手立てになりうるということです。
“モノ”そのもの自体に価値があることもメリットです。例えば、株式は会社が倒産すると価値がゼロになってしまう可能性がありますが、実物資産でしたら価値がゼロになるということはほとんどありません。
実物資産投資のデメリット
先述にもある通り、実物資産の多くはインカムゲインがなく、持っているだけでは収益を生みません。値上がりによる売却益を確実に得られるよう、出口戦略をしっかりと持つ必要があります。出口戦略で注意したいのが流動性の低さです。不動産などは売却先を見つけなければならないため、金融資産のようにスムーズに売却できるとは限りません。そのため、急に現金が欲しい場合は、想定よりも低い価格で売却せざるをえなくなることもあります。
初期費用が大きい点もデメリットでしょう。例えば、不動産投資は価格が大きいものの代表ですが、不動産を購入する場合、借入にかかる諸経費や仲介手数料なども大きくなりがちです。
実物資産投資の代表、不動産投資にもいろいろある
実物資産への投資は多様化してきていますが、やはり主流は不動産投資です。とはいえ、不動産投資のなかにも「ワンルームマンション投資」「アパート経営」「駐車場経営」「トランクルーム」など、数多くのバリエーションがあります。
区分マンション投資
マンションの一室を購入し、賃貸に出します。建物を建築する、一棟買いするケースよりも初期費用を安く抑えられます。また、立地のいい人気エリアが購入しやすいのが特徴です。
アパート経営
アパートを建設する、もしくはアパートを一棟買いして賃貸経営を行います。ワンルームマンション投資よりも保有部屋数は増えますが、初期費用は大きくなります。もともと土地がある方や自己資金が豊富な方に向いています。
駐車場経営
車を停めるスペースがあれば始められるため、狭い土地でも経営が可能です。最低限の設備で経営できるので、初期費用も抑えられます。また、仮に投資を終了する場合も撤収が容易です。
トランクルーム
コンテナや物置を設置し、収納スペースを契約者に貸します。アパート・マンション経営のように建物を建設する場合と比較すると、初期費用は抑えられます。なお、建物内の部屋を区切って、スペースごとに貸し出す「室内式」もありますが、その場合は建物を建てる分、費用が膨らみます。
多角的な投資で資産運用を目指そう
実物資産への投資は金融資産への投資とは異なる特徴があります。リスクもありますが、それは金融資産への投資も同じです。金融資産への投資に加えて実物資産への投資も行えば、より資産運用の安定性が増すことでしょう。実物資産への投資にはさまざまな種類があるので、それぞれの特徴を理解し、ご自身に合った投資を選択することをお勧めします。
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