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株初心者でも「IPO投資」なら利益を出しやすいって本当?

株初心者でも「IPO投資」なら利益を出しやすいって本当?


株初心者でも「IPO投資」なら利益を出しやすいって本当?

IPO投資とは、新規株式公開(Initial Public Offering:IPO)する株に投資する方法のことです。初心者でも比較的利益をだしやすいといわれており、ローリスク・ミドルリターンの投資方法として注目を集めています。しかし、IPO投資は本当にメリットばかりなのでしょうか。

IPO投資ってどのように始めるの?

企業がIPOをする際、一般的に証券会社が上場に関する事務をサポートします。この証券会社のことを「主幹事証券会社」と呼びますが、主幹事証券会社には投資家にIPO株を販売する権利が他社よりも多く割り当てられます。そのため、IPO投資をするには、主幹事を多く務めるような大手証券会社に口座を持っていたほうが有利です。もちろん、主幹事以外の証券会社にも販売の割り当てがあるので、IPO株の割り当てを受けた証券会社に口座を持っていれば、IPO投資はいつでも始めることができます。
IPO株を購入するには、企業がIPOをするのにあわせてブックビルディングに申し込みます。ブックビルディングとは、IPO予定の株式を決定する手法の1つで、投資家はいくらで何株購入したいかを証券会社を通じて申告します。そのため、発行株式数より注文株式数が多ければ抽選が行われます。
なお、IPO株の購入に売買手数料はかかりませんが、上場後に売却する際には売買手数料がかかります。

IPO投資の「これ、本当?」

IPO投資のFAQ1:安心?

IPO投資の基本は、新規上場時の投資家向けの販売価格である公募価格と上場初日の価格差を見込んで利益を出すというものです。もちろん、新規上場するすべての企業の初値(取引開始時の価格)が公募価格を上回るとは限りません。ただ、これまでIPOをした多くの企業の初値が公募価格を上回っているため、通常の株式投資に比べて初心者でも失敗しにくく利益を出しやすいといわれています。

IPO投資のFAQ2:新興企業の株式ばかり?

IPOで注目を集めるのは、メルカリや米ウーバーなどのように成長著しいユニコーン企業のイメージが強いかもしれません。しかし、IPOをするのは高成長が見込める新興企業ばかりではありません。名の知れた成熟企業が新規に株式公開する場合もあります。2015年には日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の日本郵政グループが、2018年にはソフトバンクがIPOし、「大型上場」と話題を集めました。

IPO投資で注意すべき3つのポイント

ポイント1:公募価格割れリスク

初日の株価が公募価格を下回ることを「公募価格割れ」といいますが、公募価格割れは当然ながら利益を得ることができません。例えば、ソフトバンクのIPOでは公募価格1,500円に対して初値が2%下回る1,463円となり、公募価格割れとなりました。大型上場では発行や売り出し株式数が多くなるので、IPO株を入手しやすくなる反面、価格上昇も抑えられてしまいやすいのです。
公募価格は、事前に投資家に購入希望価格をヒアリングして決めた範囲内で決められます。これを「仮条件」といいますが、公募価格が仮条件の上限近くで決まらないものは人気がない銘柄といえます。こうした株は公募価格割れリスクが高くなります。
加えて、株式市場全体が低迷しているときも、公募価格割れリスクが高まります。

ポイント2:IPO当選後の購入を辞退ができない場合もある

公募価格を下回る可能性があると損をするので、たとえブックビルディングで当選していても購入を辞退したいという方もいるでしょう。しかし、証券会社によっては購入を辞退できないことがあります。事前にブックビルディングの参加条件を確認するようにしましょう。

ポイント3:価格変動リスク

IPO株を上場後すぐに売却せずに持ち続ける場合、価格が乱高下する可能性があります。IPOしたばかりの株は注目が高まるので取引量が多くなり、価格変動が起きやすいとされているからです。
また、ベンチャーキャピタルや創業者などの大口株主が、上場後すぐに株を売却すると株価が急落します。それを防ぐために、一定期間売却できない「ロックアップ」という期間を設けている場合があります。その一方で、ロックアップ期間でも条件を満たせば株式の売却が可能になることもあります。一度に大量の売り注文が入ると株価が急落するので、IPO前に公開される上場目論見書などで、ロックアップの条件について必ず確認しておきましょう。

人気のIPO投資は「必勝」ではない

このように、初心者でも失敗しにくく利益が出しやすいと人気のIPO投資も、必ず成功するわけではなくリスクもあります。深く検討せずに予想外の損失を出してしまったということのないよう、きちんとリスクを把握することが大切です。


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