空き家を放置すると、税金が高くなるって本当?

空き家を放置すると、税金が高くなるって本当?

少子高齢化に伴う人口減で、日本国内の空き家件数が増加しています。両親亡きあと、遠方の実家を相続したものの、過疎化の進む地域に今さら戻ることもできないし、生活や仕事にも不便で借り手もいない……と放置している方はいませんでしょうか?

2015年2月に施行された「空き家等対策の推進に関する特別措置法(以下、「空き家等対策特別措置法」)」によって、手入れのされていない空き家を放置していると、ペナルティーが発生するようになりました。そこで、今回は空き家を放置することで発生するデメリットや空き家の活用法を説明します。

空き家を放置する理由、4人に1人が「固定資産税が高くなる」

総務省が実施した「平成25年住宅・土地統計調査」によると、空き家の総数は1993年からの20年で約1.8倍(448万戸→820万戸)に増加しています。

一方、国土交通省が実施した「平成26年空き家実態調査」では、空き家となった住宅の取得原因は「相続」が半数以上を占めました。そして、空き家所有者の約1/4が空き家まで1時間以上かかる遠隔地に居住しています。

空き家にしておく理由のトップ3は、「物置として必要」(44.9%)、「解体費用をかけたくない」(39.9%)、「特に困っていない」(37.7%)。また、「取り壊すと固定資産税が高くなる」という理由も25.8%となりました。不便さを感じず、逆に更地にしてしまうとデメリットがあることが、空き家が増加する原因になったともいえそうです。

▶参考:空き家等の現状について(PDF)国土交通省

しかし、空き家等対策特別措置法の施行以前のように気軽に空き家を放置しておくと、今後痛い目に遭うかもしれません。その最たるものが、「住宅に対する固定資産税等の減免等の優遇措置」が受けられなくなることです。

個人の住宅は「住宅用地の特例」の対象となり、固定資産税等が軽減されます。これは、誰も住んでいない空き家でも同じです。ところが、住宅を解体して更地にすると、この特例が受けられなくなり、税額が一気に跳ね上がります。そのため、これまで多くの人が空き家を解体せずに放置していたというわけです。

しかし、空き家等対策特別措置法における「特定空き家等」に指定されると、この住宅に対する固定資産税等の減免等の優遇措置が受けられなくなるばかりか、最大50万円以下の罰金が科されたり、行政代執行によって建物が解体されたりします。もちろん、解体の費用は持ち主に請求されます。

空き家のすべてにペナルティーが発生するの?

少し怖がらせてしまいましたが、すべての空き家にペナルティーが科されるわけではありません。対象となるのは、空き家等対策特別措置法で「特定空き家等」に指定された空き家です。

では、「特定空き家等」とはどういった状態のことを指すのでしょうか。国土交通省が示したガイドライン(「特定空き家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針)には、以下のように定義されています。

▶そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
▶そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
▶適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
▶その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態 

つまり、適切な管理をされている空き家ならば大丈夫ということです。

空き家の活用、どうすべき?

では、活用できていない空き家はどうすればいいのでしょうか。解体して土地を売るつもりがないのであれば、以下のような活用法を検討してみてもよいかもしれません。

民泊施設として貸し出す

外国人観光客の急激な増加で、ホテルや旅館など既存の宿泊施設が不足し、日本でも「Airbnb(エアビーアンドビー)」のような民泊が拡大しています。これまで日本ではグレーゾーンで営業されてきた民泊ですが、2018年6月からは「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が施行され、一定の条件下で合法的に民泊が営めるようになります。
日本人から見たら生活や仕事に不便な立地だったり、古くて住みにくい家だったりしても、外国人の目から見れば、日本の風土に根ざした暮らしを体験できる貴重な機会です。歴史を感じさせる地方の古民家や日本家屋などは、観光客向けの民泊施設として貸し出すと人気が出るかもしれません。

空き家バンクに登録する

地方自治体によっては、空き家の持ち主と借り手を結びつける「空き家バンク」を運営していることがあります。最近は、テクノロジーの発展にあと押しされ、生活費が高くせわしない都会を離れて、地方に移住して、そこで生活したり働いたりする人も増えてきています。こうした人向けに空き家を提供すると、持ち主と借り手の双方にメリットがもたらされるでしょう。

このように、放置しているだけではコストやリスクがのしかかるばかりの空き家も、活用法によっては収益物件に生まれ変わらせることも可能です。また、空き家の解体費用や建て替え費用の補助金を支給している自治体もあります。空き家を放置してトラブルになる前に、お住まいの自治体に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

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