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2018年は副業元年。ダブルワークで賢く稼ぐために知っておくべき税金の話

2018年は副業元年。ダブルワークで賢く稼ぐために知っておくべき税金の話


2018年は副業元年。ダブルワークで賢く稼ぐために知っておくべき税金の話

「働き方改革」の号令のもと、政府は、企業が就業規則を制定する際のひな形となる「モデル就業規則」から副業禁止の項目を削除するなど、副業解禁に向けて後押しをしています。実際、上場企業でも副業を解禁する企業が出てきており、こうした流れは今後続くと考えられます。そこで、ここではダブルワーク(副業)時の税金の取り扱いについて説明します。

ダブルワークすると、税金はどうなる?

一般企業で働くビジネスパーソンや公務員、団体職員など、いわゆる給与所得者は、給与から所得税や住民税、社会保険料などが天引きされています。ところが、副業を持っている場合、つまりダブルワークをしていると、追加で税金を支払う必要が出てくることがあります。しかも、ダブルワークの内容やスタイルによって、税金の取り扱いも次のように変わります。

1.ダブルワークがアルバイトやパートの場合

本業で会社勤めをしていて、ダブルワークがアルバイトやパートの場合は、どちらも「給与所得」となり、両方を合算した金額から給与所得控除を引いた金額が所得金額として課税対象となります。

2.クラウドソーシングや内職の場合

インターネット上で仕事を請け負うクラウドソーシングや内職の場合、事業所得として認められれば、年間の収入から経費を差し引いたものが所得金額になります。事業所得を青色申告しているなら、青色申告特別控除が適用されます。

3.不動産経営の場合

不動産経営の場合も、年間の収入から経費を差し引いたものが所得金額となります。不動産所得も青色申告できます。

4.その他雑所得の場合

アフィリエイトや講演料など単発の仕事、FX(外国為替証拠金取引)や株、先物取引、最近流行りの仮想通貨での収益などは、事業所得でなく雑所得と見なされます。売上から経費を差し引くことはできますが、青色申告はできません

なお、ダブルワークで赤字が出た場合、確定申告をしたほうが節税になることがあります。理由は2つあります。一つは、青色申告では、損失を最長3年にわたって繰り延べできるからです。これを「損失申告」と言います。

もう一つは、本業で得た給与所得とダブルワークでの事業所得を通算する「損益通算」によって、所得税の還付を受けられるからです。ですので、赤字でも確定申告をすることをおススメします。

事業所得と雑所得、税金はどう変わるの?

アルバイトや不動産経営など、ダブルワークの就業形態別に説明しましたが、「事業所得」「雑所得」といった言葉が出てきました。この2つはどう違うのでしょうか?

ある程度の収入があり、継続的に仕事を受けていることが証明できれば、事業所得と見なされます。一方、所得税法では、事業所得の他に給与所得や退職所得など9つの所得の種類を定めていますが、どれにも該当しない場合に雑所得と見なされます。FXや株取引の場合は、生計を投資でまかなっている、事業といえる規模で取引をしているといった場合でない限り偶然の要素が大きく投機的な意味合いが大きい収益なので、事業規模と見なすのは難しく、雑所得扱いとなるのです。

ちなみに、事業所得と認められた場合、ダブルワークの収入もサラリーマンの給与所得と合算でき、税制上有利になります。もし「雑所得」か「事業所得」かの判断がつきにくい場合は、税務署や税理士に相談するとよいでしょう

ダブルワークが禁止の職場の場合

ダブルワークをすれば、収入はもちろん増えます。そして、それが事業所得として認められれば、経費を差し引くことができ、先述のとおり税法上も有利になります。いいことづくめのような気もしますが、注意すべきこともあります。

それは、勤務先がダブルワークを認めているかどうかです。ですので、まずは勤務先の就業規定を確認しておきましょう。もし禁止されていることを知らずにダブルワークをしていた場合、就業規則違反を問われる場合があるため留意しましょう。

なお、規則上、禁止であることを知っていながら、見つからなければよいと思ってダブルワークをしていたとしても、住民税の徴収額が不自然に多ければ、会社から疑われる可能性があります。サラリーマンは通常、住民税を給与から天引きする「特別徴収」で納税します。一方、納税額はダブルワークの収入と給与所得分が合算されて算出されます。そのため、特別徴収では天引き額が多くなり、ダブルワークを疑われてしまうというわけです。

もし、ダブルワークでの収入を隠したい場合は、住民税を自分で納入する「普通徴収」に切り替えるといいでしょう。ただし、その場合は会社に普通徴収に切り替える理由を明確に説明する必要があります。

“ダブルワーク”の取り扱い、実はあやふや?

ダブルワークをしていると、給与所得者なら一般的に必要がない確定申告が必要になったり、確定申告が不要であっても所得税を支払う必要があったりするため、税金についての知識を身につける必要があります。

また、副業解禁の流れはあるものの、「業務終了後にダブルワーク先へ行く途中に事故に遭ったら、労災はどのような取り扱いになるのか」といった、現実的な課題もあります。

ダブルワークに関する税金についても、ダブルワークが一般化すればするほど、さまざまなケースが出てくるでしょう。今後の動きに要注目です。

参考:◆副業したら所得税はいくらかかる?副業の所得税について|freee
  :◆副業で赤字 確定申告で税金還付の可能性も|NIKKEI STYLE
  :◆損失申告とは|MFクラウド確定申告


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