不動産投資は価格よりタイミング|350万円安く買っても負ける理由
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不動産投資を検討している方のなかには、老後の資産形成に漠然とした不安を抱えている方が多いことでしょう。
とはいえ、「今は金利が高いから」「もう少し安くなってから」不動産投資を始められない。
その理由、よくわかります。
同じ商品を購入する場合、できるだけお得に、安く購入したいと考えるものです。
しかし、安くなるタイミングはなかなか読めないもの。
本記事では、不動産投資を実施する際、安くなるタイミングを狙うよりも、「今」始めるべき理由をご説明します。
データで見る「今すぐ始めた人」と「数年待った人」の差
漠然と「今から始めるべき」と言われても、できるだけ安いタイミングを狙ってから不動産を購入し、投資を始めたいと考えるものです。
しかし、今から始めるべき理由は精神論ではなく、数値で示すことができます。
まずは下記の表をご覧ください。
単位:万円
| 購入時 | 5年後 | 10年 | 15年後 | 20年後 | 25年後 | 30年後 | 35年後 | 40年後 | |
| 今すぐ購入 | 35歳 | 2,496 | 2,166 | 1,800 | 1,411 | 981 | 512 | 0 | — |
| 5年後に350万安く購入 | 40歳 | — | 2,184 | 1,895 | 1,579 | 1,234 | 858 | 448 | 0 |

こちらは購入時期およびローン経過年月における残高です。
5年待って350万円安く買うよりも、今すぐ購入して返済を始めた方が、5年後のローン残高は少なくなります。
実際、10年後には約18万円、15年後には約95万円、今すぐ始めた方がローン残高を減らせます。
このように、購入価格が安くても、返済期間(時間の経過)によってローン残高の逆転現象が起こります。
不動産投資においては、「安さを待つコスト」よりも「早く始める時間の価値」の方が大きいといえます。
ローンを減らすことの重要性
不動産投資において、ローン残高の差は今後の選択肢に影響を及ぼす要素として考えることができます。
たとえば、先ほどの表より同じ金額の収入を得ていて、ローン残高が1,411万円と1,579万円で比較してみると、前者のほうが後者よりも168万円お金が存在しています。
また、35年後の場合、早く始めた方にローンは残っておらず、不動産収益がそのまま利益に直結します。
一方、5年遅く始めた場合は448万円が残っているため、その分お金の自由度が低い状態といえます。
ローンの残高による選択肢をまとめると、下記の表のようになります。
| ローン残高が多い状態 | ローン残高が少ない状態 |
| 売りたくても手残りが少ない | 売却時の手残りが大きい |
| 買い替えが難しい | 次の物件へ買い替えられる |
| 一括繰り上げ返済できない | 私的年金として活用できる |
| 選択肢が狭い | 何でもできる自由がある |
一般的に、投資の観点では「安く購入して高く売る」ということがセオリーとなっています。
しかし、不動産投資の場合は不動産×ローン運用の要素により、残高をいかに早く減らすのか、ということが重要になります。
不動産投資は所有することにより得られる家賃収入(インカムゲイン)と、不動産を売却することにより得られる収入(キャピタルゲイン)の両方の性質を持ち合わせています。
家賃収入でローンをコツコツ減らしたり、十分に減らした段階で売却して新たな物件を購入する費用に充当したりといった、柔軟な運用を実現できます。
売却時に多くのローンが残っているとその分が差し引かれるため、期待しているほど手元にお金が残らないことも。
長期的に不動産投資を実施する場合は、事前の計画立案が重要です。
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人生という時間軸で考えよう
就労期間中に安く不動産を購入するタイミングになったとき、何歳になっているのでしょうか。
先述した表でも記載した通り、不動産投資は数十年単位といった長期的な運用が求められます。
そのため、短期で収入を得ると考えるのではなく、人生という長い時間軸で考えることが重要です。
社会人生活において賃金を得られる期間は20代から60代の40年程度です。
厚生労働省の調査結果によると、2026年現在の日本人の平均寿命は女性が87.33歳、男性が81.35歳でした。
このことから、資産を作れる、賃金を得られるタイミングは人生のうちで半分程度ということになります。
重要なのは理想の状態からの逆算
ここで重要になるのが、「50歳・60歳の自分がどのような状態になっているのか」を目標として立てておくことです。
たとえば、60歳のときにはローンを完済している状態を目標として掲げた場合、不動産投資を実施するタイミングは30歳前後になることが多いです。
これは無理なく安定してローンを返済できるだけではなく、ローンの審査時点で長期的に働けるからという理由で審査を通過しやすいことが要因として挙げられます。
40代以降の場合は自己資金の充実により金融機関からの評価が高くなると考えられますが、30代前後と比較すると月々の返済額が気になるところ。
また、「30歳から不動産投資を始めよう」と考えていても、安いタイミングを探っていると、気付いたら35歳、40歳と歳を重ねてしまった、ということもあります。
もちろん、同じ商品であればできるだけお得に購入したいと考えるのは当然ではありますが、不動産投資において安く買うことはあくまで手段であり、目的ではありません。
重要なのは早く始めることであり、未来の自分が抱える負担を減らすという考えになります。
世界と比較する日本のインフレ・金利

買い時を検討する際に確認されるべき要素として、金利が挙げられます。
ニュースではしばしば「金利上昇」という言葉を耳にしますが、実際はどうなのでしょうか。
結論として、日本の金利は世界水準で見ても最低水準を維持している状態です。
一例として、下記に主要国・エリアにおける政策金利および住宅ローン金利を記載します。
住宅ローン金利を記載します。
| 国 | 政策金利 | 住宅ローン金利 |
| 日本 | 0.50%~1.00%程度 | 固定:1.00%~2.00%程度
変動:0.50%~1.00程度 |
| アメリカ | 3.50%~3.75%程度 | 固定:6.00%~7.00%程度
変動:7.00%~8.00%程度 |
| ユーロ圏 | 2.25%~2.65%程度 | 固定:3.00%~4.30%程度
変動:3.00%~4.00%程度 |
| イギリス | 3.75%~5.00%程度 | 固定:4.30%~4.60%程度
変動:6.20%~6.70%程度 |
| オーストラリア | 4.00%~4.35%程度 | 固定:5.60%~7.00%程度
変動:5.90%~6.70%程度 |
しかし、10年後や20年後といった長期間で見ると現状を維持できているとは限らず、これまでの推移を見ると緩やかに上昇し、日本も本格的なインフレ社会へ移行する可能性が高いのではと考えられます。
下記は10年後・20年後に起きうる日本の変化の推測をまとめたものです。
| 項目 | 現在 | 10〜20年後の予測 |
| インフレ率 | 2〜3%台 | 3〜5%以上も想定される |
| 賃金水準 | 緩やかな上昇 | 人手不足により賃上げ加速 |
| 物件価格 | 上昇中 | さらなる上昇の可能性 |
| 家賃水準 | 都市部で上昇中 | インフレ連動で上昇 |
| 現金の価値 | 目減りし始め | 実質価値がさらに低下 |
「安いタイミングで不動産投資を始めたい」という場合は、金利が上昇していない今も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
関連ページ:当社コラムページ:「日本と世界の金利比較および不動産投資という選択肢について」
現代の不動産投資運用戦略
2025年問題・2040年問題を皮切りに、日本では生産年齢人口の減少が社会問題として取り沙汰されています。
労働者が少なくなる→人手不足により賃上げ圧力が強まる→インフレが継続する、といったように、今よりも苦しい生活を強いられる可能性が考えられます。
このような状況になる前に不動産投資を始めれば、物件価格や家賃が生活の支えとなるため、余裕が生まれます。
また、近年台頭しているAI活用により生産性が向上することで、一部職種では収入が大幅に増える可能性も。
仕事・生活圏の観点では都市部への集中とノマドワーカーなどによる地方分散の両方が考えられます。
結果として賃貸需要は継続的に発生すると推測されます。
不動産は古い資産ではなく、むしろ時代が変わるほど実物としての資産価値が増加する商品といえるでしょう。
おわりに
本記事では、不動産投資において「安くなるタイミングを待つ」ことよりも、「今すぐ始めてローン残高を減らす」ことの重要性について解説しました。
シミュレーションデータが示す通り、仮に数年後に350万円安く購入できたとしても、早く始めた人の方がローン返済が進むため、将来的なローン残高は少なくなり、資産形成の観点では逆転現象が起こります。
不動産投資においては、安く買えた価格差以上に「早く始めた時間の価値」の方がはるかに大きいと言えます。
ローン残高を減らすことは、将来的に売却・買い替え・私的年金化といった「人生の選択肢の自由」を手に入れることと同義です。
日本の金利は世界水準で見ても未だ低い状態にあり、今後は本格的なインフレや人手不足による物件価格・家賃の上昇が加速する可能性も考えられます。
安く買うことはあくまで手段であり、目的ではありません。
50代・60代で理想の生活や自由を手に入れるために、まずは「今」できる決断から将来へ向けた第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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