物件選びに重要な積算価格とは?計算方法や用途を解説
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不動産投資を行う際には、物件の購入前に需要や価値などを知ることが重要です。
高額な不動産を購入しても、期待しているように入居者が集まらなかった場合、収益を獲得することができません。
不動産を選定する際にはさまざまな観点から価値を考えますが、そのなかには「積算価格」と呼ばれるものがあります。
本記事では、物件選びに重要な積算価格について、計算方法や用途とあわせて解説します。
積算価格とは?
積算価格とは、土地と建物の価格を合算した価値のことで、現在の物件そのものの状態を見たときの価値を表したものです。
不動産には土地と建物が含まれており、それぞれの要素によって販売・賃貸の価格が決まります。
たとえば、立地条件が良くても築年数が古く、修繕されていない建物の場合、賃料や販売価格が低くなるものです。
積算価格にはそれぞれの要素が含まれているため、土地と建物の価格両方を確認しておくことが重要となります。
実勢価格との違いとは
積算価格と混同される方が多い言葉のなかには、「実勢価格」と呼ばれるものがあります。
実勢価値とは、不動産業者が市場で実際に売買する価格のことであり、投資の際にはこちらの価格を参考にします。
積算価格において土地は公示地価を参照し、建物は減価償却を用いて算出されます。
実勢価格は需要やニーズなどの要素で変動しますが、積算価格は変動が少ない要因で算出される点が異なります。
上記より、実勢価格は積算価格よりも高くなることが多く、積算価格は実勢価格よりも変動が少ないことが多いです。
積算価格の計算方法
積算価格の計算方法は、土地の積算価格と建物積算価格の合算で求められます。
それぞれの積算価格は、下記の方法で求めることができます。
土地の積算価格
- 土地の積算価格 = 路線価 × 土地面積
たとえば、路線価が1平方メートルあたり50万円、土地面積が100平方メートルの場合、下記のように求められます。
土地の積算価格 = 50万円/平方メートル × 100平方メートル = 5,000万円
建物の積算価格
- 建物の積算価格 = 再調達価格 × 延べ床面積 × (法定耐用年数 – 築年数) ÷ 法定耐用年数
下記条件の場合、建物の積算価格はいくらになるのでしょうか。
- 再調達価格 :20万円
- 延べ床面積 :150平方メートル
- 法定耐用年数 :50年
- 築年数 :30年
建物の積算価格 = 20万円 × 150平方メートル × (50年 – 30年) ÷ 50年 = 1,200万円
なお、建物の再調達価格とは、構造や用途、質など保険の対象となる財産を現時点で再築・再購入した際の価格を指します。
法定耐用年数については国税庁が公開しているため、ご参考にして頂けます。
上記より、土地と建物を合算した積算価格は、5,000万円 + 1,200万円 = 6,200万円になります。
参考ページ:国税庁ホームページ「主な減価償却資産の耐用年数表」
積算価格を重視すべきかどうか
これまでは土地や建物の積算価格についてご説明しましたが、売買の際には実勢価格を参照にします。
そのため、不動産投資を検討している方のなかには、「実勢価格のみを重視すれば良いのでは?」と考える方がいらっしゃいます。
実際に、不動産を購入する際には積算価格よりも実勢価格を重視すれば良いのでしょうか。
結論として、不動産を購入する際には実勢価格だけではなく、積算価格もしっかりと確認することをおすすめします。
積算価格も重視することで、下記のようなメリットを得ることができます。
- 土地や建物の適正価格を知ることができる
- 融資の際には積算価格が審査対象となる
- 投資収益を判断する際に活用することができる
このように、積算価格を判断材料とすることもあるため、それぞれの価格を理解・把握することが重要です。
たとえば、高額な実勢価格の物件を紹介された際に、積算価格を知らなかった場合多くの費用を搾取される可能性があります。
積算価格を知っておくことで、内訳や高額になっていることに気付き、理由を聞くことができます。
不動産投資を利用して悪徳ビジネスを行っている業者は、さまざまな理由を付けてお客様から資金を奪い取ろうとします。
しかし、質問や疑問点をぶつけることによって、詐欺被害を未然に防ぐことができるのです。
不動産投資の際に受ける融資はこの積算価格を参考にするため、第三者の評価も知ることができるでしょう。
おわりに
本記事では、物件選びに確認しておくべき積算価格について解説しました。
積算価格とは、土地と建物の価格を合算した価値のことで、現在の物件そのものの状態を見たときの価値を表したものです。
一方、実勢価値は不動産業者が市場で実際に売買する価格のことであり、投資の際にはこちらの価格を参考にします。
それぞれ使用シーンは異なりますが、双方の理解を深めることで物権の価値を理解しやすくなります。
実勢価格だけではなく、積算価格も理解しておくことで、下記の気付きを得ることができます。
- 土地や建物の適正価格を知ることができる
- 融資の際には積算価格が審査対象となる
- 投資収益を判断する際に活用することができる
不動産投資を行う際には、さまざまな数値に疑問を持つことが重要です。
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