不動産投資のデッドクロスとは?発生する原因や回避方法を分かりやすく解説
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不動産投資には、資金繰り悪化の要因となる「デッドクロス」と呼ばれる現象があります。よく出てくる言葉なので認知度は高いですが、「詳しく説明できるほどは知らない」という方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、不動産投資でデッドクロスが発生する原因や回避方法を解説します。デッドクロスについて理解を深めることで、有利に不動産経営を進められるでしょう。
1.不動産投資のデッドクロスとは?
不動産投資では、ローンの元金返済額が減価償却費を上回ることを「デッドクロス」といいます。ローンの元金部分は経費計上できないため帳簿上には現れませんが、減価償却費は実際に支出を伴わないものの、経費計上できるため帳簿上に表れます。
つまり、デッドクロスになると「帳簿上では利益が出ているのにキャッシュフローではマイナス」という現象が起こり得ます。しかし、キャッシュフローがマイナスでも帳簿上の利益がある以上、納税しなければなりません。結果、資金繰りが悪化し、いわゆる「黒字倒産」する可能性が高まります。
2.不動産投資でデッドクロスが起こる場合
不動産投資でデッドクロスが起こるケースとして、計上できる経費が減少した場合や、融資期間と耐用年数のバランスが悪い場合などが考えられます。ここでは、デッドクロスが起こる場合について解説します。
🔵 経費計上できるローンの利息が減少した
ローンの元金部分は経費計上できませんが、利息の部分は可能です。返済初期は利息部分が多く、経費計上することで利益を圧縮できます。
しかし当然ながら、ローンの返済が進むにつれて利息部分の返済額は減少します。経費計上できる分が減ることで、「デッドクロス状態に近づいていく」という構造です。結果的に、所得税が増加してキャッシュフローが悪化する可能性があります。
🔵 経費計上できる減価償却費が減少した
減価償却費は、初年度を除いて支出を伴わない経費です。経費とすることで利益を圧縮でき、税負担の軽減につながります。しかし、減価償却が可能な期間は物件の耐用年数によって定められているため、一定期間しか経費計上できません。
減価償却期間を過ぎると一気に帳簿上の黒字が増え、キャッシュフローが悪化してしまいます。物件を購入する際は、減価償却期間がどのくらいあるのかよく確認することが大切
です。
🔵 家賃収入が減った
不動産投資の主な収入は家賃収入ですが、築年数の経過などによる家賃の減額や空室の増加が増えるとキャッシュフローは悪化します。
家賃収入の減少がすぐにデッドクロスにつながるわけではありませんが、収入が十分にあればデッドクロス状態が近づいても穴埋めは可能です。デッドクロスが発生しても支障が出ないよう、家賃収入を維持または増加させる戦略が必要でしょう。
🔵 融資期間が短い
一般的に、融資期間が短いと月々のローン返済額が大きくなります。耐用年数に対して融資期間が極端に短い場合、ローン返済額が減価償却費を上回る可能性が高く、デッドクロスが発生する要因となります。
ただし、あえて融資期間を短くするケースも考えられます。早期にローンを完済すればその後のキャッシュフローが大幅に改善するため、経営戦略として融資期間を短くすることもあるでしょう。
🔵 建物の耐用年数が短い
建物の耐用年数が短いと、ローンの返済期間中に減価償却期間を終えてしまうことがあります。減価償却期間が終了した時点で帳簿上の経費計上ができなくなり、デッドクロス状態に突入するという構図です。
自己資金がない 場合はローンを完済するまでデッドクロスが継続することになるため、融資期間と耐用年数の関係には注意する必要があります。
3.デッドクロスの回避とその対策
物件購入時には、デッドクロスを回避するためのポイントがいくつかあります。また、物件購入後もデッドクロスに備えて対策する必要があるでしょう。ここでは、デッドクロスの回避方法や対策方法について解説します。
🔵 物件購入時に自己資金を多めに入れる
ローンを組む際に、自己資金を多く入れることで借入額を少なくできます。月々のローン返済額を抑えられる他、融資期間の短縮にもつながり、デッドクロスを回避しやすくなります。
ただし、修繕費など突発的な費用が必要となるケースもあるため、ある程度の自己資金を残しておくことは大切です。また、自己資金を多く入れるとレバレッジ効果が薄れます。投資効率が落ちてしまうことも頭に入れておきましょう。
🔵 元金均等返済を行う
ローンの返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。元利均等返済は、元金と利息とを合わせた返済額を毎月一定にする返済方法です。返済初期は利息部分の割合が多く、返済が進むにつれて元金部分の割合が増えていくのが特徴です。そのため、返済期間の後半にかけてデッドクロスに陥りやすくなるでしょう。
一方の元金均等返済は、返済初期から元金の額が一定で、利息部分は元金の残高に応じて変わる返済方法です。毎月の返済額は年々少なくなるため、元利均等返済よりもデッドクロス状態に陥るのを避けやすくなります。ただし、元金の残高が多い返済初期は利息部分も多く、ローンの負担が大きい点には注意が必要です。
🔵 耐用年数が長い物件を選ぶ
物件の減価償却期間は、法定耐用年数や築年数などに応じて決まります。耐用年数は物件の構造や用途によって異なり、新築や築浅の物件は耐用年数が長くなります。耐用年数が長い物件は減価償却期間も長く、長期にわたって経費として計上できるため、デッドクロスに陥りにくくなるでしょう。
ただし、減価償却期間が長いと単年当たりの減価償却費が少なくなるため、節税効果は薄れます。デッドクロスのリスクは低下しますが、投資目的に応じて物件を選ぶことが大切です。
🔵 資金を貯めておく
仮にデッドクロスになってキャッシュフローが悪化しても、ローンの返済や諸費用の支払いなどが滞らないようにしなければなりません。デッドクロスのリスクに備えるには、ある程度の資金を貯めておくことが大切です。
物件を購入する前に綿密な資金計画を立てるなど、デッドクロスに陥っても対処できるようにしておきましょう。
🔵 ローンの借り換えを行う
デッドクロスによってキャッシュフローが悪化するようであれば、ローンを借り換えるという手もあります。ローンの借り換えによって融資金利を低くできる可能性があり、返済額の軽減につながります。また、融資期間を延長できる可能性もあるでしょう。
ただし、融資期間の延長によってキャッシュフローが改善しても、返済期間が増えることに注意が必要です。借り換え時は綿密なシミュレーションを繰り返しましょう。
🔵 繰り上げ返済を行う
余裕資金がある場合は、繰り上げ返済を検討するのもよいでしょう。特にローンの返済初期は利息部分の返済額が多いため、繰り上げ返済を行うことで返済総額を減らせます。結果的に、デッドクロスになった場合のキャッシュフローの悪化に備えられるでしょう。
ただし、繰り返しになりますが、繰り上げ返済は余裕資金がある場合に選択してもよい方法です。無理をすると不動産経営に影響をおよぼすため、本末転倒にならないよう注意しましょう。
4.デッドクロスを避けられない場合は?
デッドクロスを回避するための対策を講じても、デッドクロスに陥ってしまうことはあるでしょう。その場合は物件の売却を考えるタイミングでもあります。また、新たに物件を購入することで減価償却費を増やすのも一つの方法です。ここでは、デッドクロスを避けられない場合の対処法を解説します。
🔵 物件を売却する
デッドクロスが発生するとキャッシュフローが悪化するため、物件の売却を検討するのも一つの方法です。場合によっては購入時よりも高い値段で売却できるでしょう。
ただし、物件を売却する場合は保有期間に応じて税率が異なる点に注意が必要です。保有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」の対象となり、短期譲渡所得の場合は税率が高く設定されています。
🔵 新しく物件を購入して減価償却費を増やす
デッドクロスが発生する大きな要因は減価償却費の減少です。したがって、場新たに物件を購入し、減価償却費を増やすことで対処するという策も取れます。
留意点は、物件の購入にはある程度まとまった資金が必要で、返済金額も増えてしまうことです。場合によってはさらに厳しい状態に追い込まれるため、緻密な戦略を立ててから実行に移しましょう。
5.不動産投資のコツはGALA NAVIで!
不動産投資を有利に行うには、デッドクロス対策を含むさまざまな知識が必要です。不動産経営のノウハウやコツを学んでおくことで、多くのトラブルに対処できるようになるでしょう。
資産運用型マンション「ガーラマンションシリーズ」を展開するFJネクストグループは、不動産投資に関するさまざまな情報を発信するサイト「GALA NAVI」を運営しています。資産運用やマネープラン、最新の物件情報なども配信しているため、投資全般に必要な知識や情報を集めるためのツールとしてお役立てください。
6.まとめ
不動産投資では、デッドクロスの発生によってキャッシュフローが悪化し、資金繰りが厳しくなるリスクがあります。しかし、デッドクロスの回避方法や対策方法を知っていれば、経営状態を立て直すことも、有利に進めることもできるでしょう。
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