【不動産投資の知識】サブリースとは?仕組みやメリット・注意点をチェック
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不動産投資の管理形態のひとつとして、サブリースが知られています。しかし、ほかにも自主管理や管理委託もあるため、判断に迷っている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、不動産投資におけるサブリースシステムの特徴やメリット、注意点について説明します。また、サブリースに向いているケースと不向きのケースについても把握できる内容です。自身の価値観や投資計画も照らし合わせて、最良の選択をしましょう。
1.不動産投資の運用に役立つ「サブリース」とは
物件管理の形態として自主管理や管理委託があり、サブリースもそのひとつです。正確には、オーナー・不動産会社・入居者間で結ばれる一連の契約が「サブリースシステム」として認識されているといえるでしょう。
サブリースシステムでは、不動産会社とオーナーとで賃貸借契約を結び、不動産会社が物件を借り上げて、第三者と転貸借契約を結びます。空室発生の有無に関わらず、不動産会社によって保証賃料を受け取る契約を結ぶことも可能です。
オーナーにとっては安定した収入を確保しやすくなり、安心感を得ながら運用できる、長期的な計画が立てやすいことなどが魅力といえるでしょう。以下にサブリースシステムの基本的な仕組みや、オーナー・不動産会社・入居者との関係性についてまとめました。
【サブリースの仕組み】
内容 | 関係性 |
賃貸借契約 | オーナー ⇔ 不動産会社(マスターリース) |
保証賃料(借上賃料) | 不動産会社→オーナー |
転貸借契約 | 不動産会社 ⇔ 入居者(サブリース) |
賃料の支払い | 入居者→不動産会社 |
2.不動産投資|サブリースシステムを利用するメリット
サブリースは、管理の手間を省きたい方や、安定して一定の収入を確保したい方に適しているといえるでしょう。サブリースを利用することで得られる主なメリットについて、空室リスクの軽減、管理の負担が減る、収支管理がしやすい点など、3つの事柄にフォーカスして解説します。
🔵 1.空室や家賃滞納リスクを軽減できる
空室が続き家賃収入が長期間途絶えることは、キャッシュフローに悪影響を与えます。また家賃収入が途絶えるという点では、入居者の家賃滞納も空室と同様です。
サブリースでは、空室、家賃滞納の発生の有無に関わらず一定の保証賃料が振り込まれる契約にもできるため、安定した収入を確保しやすいことが特徴です。空室・家賃滞納リスクが軽減でき、収支バランスを保ちやすくなることは、オーナーにとって大きな安心材料となるでしょう。
🔵 2.管理業務の委託で負担が減る
不動産投資では、物件に関わるさまざまな管理業務が発生します。賃貸借契約の締結や家賃回収、入居者募集といったことが一例です。自主管理の場合は、このような業務をオーナー自身が担うことになります。
契約内容によるものの、サブリースシステムでは不動産会社などが代行するケースが一般的です。負担を軽減しながら運用できるでしょう。
🔵 3.収支管理しやすく確定申告の手間が減る
不動産所得が20万円を超えた場合や物件を売却して売却益が出た場合などは、原則として確定申告が必要です。複数の物件を運用している場合や空室の期間があった場合などは、収支管理に手間取ることも予想されます。
サブリースシステムは、一定の賃料が保証されていることがポイントです。収入の変動がない、もしくは最小限であるため、税務計算を簡素化でき、確定申告も楽になるでしょう。
3.不動産投資|サブリースシステムを利用する際の注意点
サブリースシステムは、オーナーにとって安心感をもって運用できるなどのメリットがある反面、注意点もあります。メリットだけでなく注意点も詳しく把握することで、自身のライフスタイルや目的に合った運用を検討しやすくなるでしょう。
🔵 家賃収入のすべてを受け取れない
契約内容によるものの、サブリースシステムを利用する場合、基本的に家賃や礼金、更新料などは、入居者と転貸借契約を結んだ不動産会社に入ります。また、家賃から一定の手数料などが引かれた額が保証賃料となるため、オーナーが家賃収入のすべてを受け取ることはできません。
契約内容によっても異なりますが、仮に契約期間中に家賃が上がった場合も、サブリースシステムで契約している保証賃料以上の金額は得られないケースもあることは注意点です。空室リスク対策や収益性といった、運用における優先事項によっても適する形態は異なるでしょう。
🔵 入居者を選ぶのは管理会社
オーナーが入居者の属性に一定の希望をもっている場合もあるでしょう。しかしサブリースシステムの契約中は、入居者の募集や転貸借契約を不動産会社が対応します。つまりオーナーは入居者を選べないことが一般的です。
しかし多くの場合、不動産会社は入居審査を設けて入居者の属性や家賃支払い能力をチェックします。信頼できる会社と契約をすれば、過度の心配は不要でしょう。
🔵 会社の倒産リスクがある
契約している不動産会社が倒産した場合、保証賃料を受け取ることができません。空室の場合は収入が途絶えることになり、また入居者がいる場合も、新たに賃貸借契約を結ぶことになるため、手続きに手間がかかるでしょう。収入を得られない状態が続けば、収支バランスが崩れる事態に陥りかねません。
不動産会社の倒産リスクを回避するために、賃貸管理戸数や建物管理棟数といった、実績のリサーチをおすすめします。
4.サブリースシステムの利用で失敗しないためのチェックポイント
サブリースシステムに関する契約は、数年間(場合によっては数十年)の運用のありかたを決める重要な契約です。ここでは、保障賃料(借上賃料)や免責期間、解約条件など、検討する際にチェックしておきたい項目を解説します。契約内容によっては収益に大きな影響を与える可能性もあるため、十分に理解しておきましょう。
🔵 1.保証賃料(借上賃料)
保証賃料とは、サブリースシステムにおいて不動産会社からオーナーに支払われる賃料のことです。呼び方は会社によっても異なり、借上賃料としている場合もあります。
保証賃料の割合や条件は、オーナーにとって収入面に大きな影響を与えます。家賃収入に対して何%を支払われるか、契約前に確認しておきましょう。不動産会社によって提示された数値が適正か見極めることも大切です。
🔵 2.免責期間
免責期間(保証をしなくてもよい期間)の有無、具体的な期間や条件などをチェックしておきましょう。
免責期間がある場合は、内容に考慮した計画を立てることが必要になるでしょう。安定した収支のバランスを維持するために、前もって内容を詳しく把握しておくことが大切です。
🔵 3.解約条件
不動産会社によっては、中途解約の条項を設けている場合があります。思わぬトラブルを防ぐためにも、中途解約の条項の有無、ある場合は条件、予告期間、違約金などについて把握しておくと安心です。
🔵 4.賃料見直し期間
サブリースシステムを利用する際は、保証賃料の見直しについても確認しておきましょう。見直しがある場合は、変動の周期や振れ幅に目を通しておき、妥当性を確かめておくと安心です。
将来の見通しを立てることも不動産運用で重要なポイントといえます。投資計画に影響を及ぼす事項は、できる限り詳細に把握しておきましょう。
🔵 5.リフォームや原状回復費の条件
リフォームや原状回復費の取り決めについても、チェックしておきたい項目です。費用負担の割合や工事内容によっては、大きな出費につながることもあります。
保証賃料やローンの返済額、設備の状況などさまざまな事柄に考慮し、費用負担の妥当性や及ぼす影響の可能性などについて広く検証することも大切です。具体的には、以下のような内容を確認しておきましょう。
・費用負担の割合
・リフォームや修繕のタイミング
・費用の目安
5.サブリースシステムに向くケース・向かないケース
サブリースは便利なシステムですが、すべてのオーナーに向く管理形態とはいえません。例えば入居者募集や管理の手間を省いて運用したい方はサブリースが向いているといえるでしょう。
一方で、サブリースシステムにおいてオーナーの裁量は狭まります。経営手腕を発揮したい、積極的に運用に関わりたいと考えている方は、通常の管理委託や自主管理を検討するとよいかもしれません。
🔵 向くケース1.経験が少なく集客できるか不安
不動産投資の経験が浅い場合、入居者を獲得できるか不安に感じる方もいるでしょう。また、空室リスクが心配で不動産投資に踏み出せないでいる方にとっても、サブリースシステムは不安点を払拭できる有効な手段といえます。入居付けに強い不動産会社と契約することで、安心感はさらに増すでしょう。
🔵 向くケース2.「できるだけ手間を省きたい」と考えている
収益物件の管理業務は多岐にわたるため、オーナーがすべてを担う場合は労力が必要になるでしょう。特に本業がある方は、両立に困難さを感じるかもしれません。
サブリースシステムでは、基本的に募集条件の設定や、入居者審査、クレーム対応、原状回復工事の計画などは不動産会社が請け負います。管理業務の負担を減らして運用できることは、不動産投資を続ける上でも大切な要素です。
🔵 向くケース3.規模が大きい
例えば、複数の物件を所有している、マンション一棟を運用しているなど投資規模が大きい場合は、個人だけで管理するのはハードルが高いかもしれません。サブリースシステムを利用することで、入退去時の対応や家賃の回収などにかかる業務の負担を減らせます。
規模が大きいほど管理業務も増えるため、よりシンプルに運用できることで得られるメリットは大きいといえるでしょう。
🔵 向かないケース1.空室リスクは少ないと判断している物件
サブリースシステムにおいて入居者の支払う家賃や敷金、更新料は不動産会社に入ることが一般的です。空室に関係なく保証賃料を得られる契約を結べるものの、収益を最大化できないという難点もあります。
空室リスク軽減という視点でサブリースについて考えた場合、賃貸需要のある物件において得られるメリットは限定的かもしれません。立地条件がよく、将来性のあるエリアに建つ物件など、安定した賃貸需要が見込まれる場合は、ほかの管理方法を検討するのも一案です。
🔵 向かないケース2.「オーナーとして手腕を発揮したい」と考えている
収益物件のオーナーは、経営者としての側面をもっていることが特徴です。運用する中で、家賃の設定やリフォームのタイミングなど、戦略を立てて判断する局面が複数あります。
経営手腕を発揮したい、自身の工夫で収益力の向上を図りたいと考える方は、サブリースよりも一般的な管理委託のほうが適しているかもしれません。
6.サブリースのほかにも|運用をフォローする「管理委託」とは
不動産投資の管理形態には、「管理委託」もあります。毎月管理委託料を支払って、物件の管理を委託するシステムです。サブリースと似ているため、混同する人がいるかもしれません。サブリースと大きく違う点は、オーナーと入居者間で賃貸借契約を結ぶため、家賃が全額入ることです。下記に代表的な賃貸管理の内容を挙げます。
・入居者募集や広告宣伝
・入居者対応
・賃貸借契約にまつわる手続き
・家賃の集金
・リフォーム
※区分マンション投資の場合:共用部分の建物管理は、マンションの管理組合へ管理費として支払う
サブリースよりもオーナーが意思決定を下す場面が多くなるため、オーナーの知識や運営の巧拙に左右される部分が大きくなるでしょう。不動産会社とパートナーシップを組みながら、主体的に運用する意識をもつことが理想です。
7.信頼できる会社の見極め方
サブリースの契約先を検討する際は、不動産会社の提案力や経営状況および実績、サポート体制などに考慮して選ぶことをおすすめします。契約する会社を見誤った場合、収益性の低い運用になる、会社が倒産して運用が立ち行かなくなるといった事態も起きかねません。優良な不動産会社を見極めるポイントを押さえておきましょう。
🔵 正確性のある提案ができる会社か
不動産会社によって提案された計画に無理がないか、正確性や妥当性を精査しましょう。判断するためには、オーナーの知識も求められます。保証賃料が周辺の家賃相場とかけ離れていないか、賃貸需要の見込みが楽観的すぎないかなど、物件の収益性や将来性をできる限り詳しく分析することが大切です。
🔵 経営状況や実績をチェックする
不動産会社の倒産リスクを避けるために、経営状況や実績を確認しておきましょう。管理戸数や入居率の推移などは、実績を把握できる重要なデータです。公開している会社であればホームページなどを閲覧する、公開されてない場合は、営業担当者に資料の提示を打診するとよいでしょう。
🔵 サポート体制が整っているか
不動産投資は、数年から数十年と息の長い投資方法であることが特徴です。不動産会社とも長く付き合う可能性を認識して判断しましょう。
具体的には契約内容を詳細に説明してくれるか、連絡を取りやすいかなどのサポート体制も考慮しておきたいポイントです。契約内容によっては投資計画に大きな影響を及ぼすため、質問に対して丁寧に応じてくれる会社を選びましょう。
8.自身に合った不動産投資の運用を目指して情報収集をしよう!
不動産投資で堅調な収益を上げるためには、自ら必要な情報収集を続け、不動産会社などと連携を取りながら運用を続けることが大切です。
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9.まとめ
収益物件の管理形態のひとつと認識されているサブリースでは、不動産会社が入居者募集や入居者審査など、管理業務の多くを請け負い、オーナーに保障賃料を支払います。
オーナーにとって空室・家賃滞納リスクの軽減、管理業務の負担が減るといったメリットが得られる仕組みです。しかし、家賃を全額受け取れない、オーナーとしての裁量が狭まるなどの注意点もあるため、自身のリスクや運用に対する考え方とも照らし合わせ、内容を十分に理解して契約しましょう。
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