借地権とは? 不動産投資における借地権付き物件のメリットとデメリット
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不動産投資を検討している際、高利回りの物件を発見! と思ったら「借地権付き」と記載されていた経験はありませんか。借地権とは、読んで字のごとく土地所有者に地代を支払って、その土地を借りる権利のことです。今回は借地権の種類や借地権付き物件のメリット、デメリットを紹介します。
1.借地権には3種類ある
借地権には、「旧借地権」「普通借地権」「定期借地権」の3種類があります。それぞれについてみていきましょう。
旧借地権
1921年(大正10年)にできた旧借地法に基づく借地権です。旧借地権は、1992年(平成4年)に現在の借地借家法ができるまで、実に70年以上も続きました。旧法の下で締結された契約には、現行法は適用されないため、今ある「借地権付き」物件の多くは大正時代の旧借地法が適用されている物件です。
旧借地権では、借地契約を更新し続ければ半永久的に借りることができます。旧借地権の特徴は、このように借り主の権利が強いことです。そうなった背景には、戦前の軍国主義があります。徴兵され、戦地に赴く人たちが安心して家を留守にできるよう法改正や法整備が続いた結果、土地所有者の権利が小さくなっていったというわけです。しかも、旧借家法は戦争が終わっても改正されず、戦後の混乱期にも多くの旧借地権付きの物件が生まれ、今に続いています。
普通借地権
1992年に施行された借地借家法に基づく借地権です。新法には、土地所有者側の都合で契約を解約できる規定が盛り込まれました。正当事由がなければ、土地所有者は契約を更新しなくてはなりませんが、借地権の残存期間は当初30年、更新後の第1回目は20年、それ以降は10年としだいに短くなる点が特徴です。
定期借地権
期間満了とともに土地を土地所有者に返還しなければならない、原則的に更新不可の借地権です。契約期間が50年以上と定められた「一般定期借地権」、土地所有者が期間満了後に建物を購入する特約を設定した「建物譲渡特約付借地権」、店舗など事業目的の「事業用借地権」、プレハブなどのために一時的に借りる「一時使用借地権」など、いくつかの種類があります。住居用の建物は、一般定期借地権であるケースが多いようです。
2.借地権付き物件のメリット、デメリット
借地権付き物件には、メリットもあれば、デメリットもあります。購入を検討する際には、それぞれを勘案して検討する必要があります。
借地権付き物件のメリット:価格が安い、高利回り、土地の固定資産税負担不要、旧借地権付きの物件は延長が容易など
最大のメリットは、周辺の相場に比べて安い物件が多いことです。これは、デメリットで説明するように、借地権付き物件には銀行の融資がつきにくいため、購入希望者が少なく、提示価格が低くなる傾向があるからです。しかし、購入価格が低いため、投資物件として活用した場合の利回りは高くなります。現金一括での購入を考えている場合はお得な物件と言えるでしょう。
また、借地権付き物件では、土地は土地所有者から借りているため、固定資産税や都市計画税など土地への課税は土地所有者の負担となります。投資物件として考えたとき、経費は少ないほうがキャッシュフローは大きくなります。
しかも、旧借地権付きの物件は借地契約を更新し続ければ、半永久的に借りることができます。これは、購入と同じだと考えることもできます。
借地権付き物件のデメリット:融資がつきにくい、契約期間中は地代の支払いが続く、売却しにくく流動性が低い、改築・建て替え・売却には土地所有者の承諾が必要など
デメリットは、他人の土地に建てた建物であるため、借地権付き物件は担保価値が低いと見なされて、銀行の融資がつきにくい点です。不動産投資は、銀行からの融資という他人資本を活用することで利益を狙うというのが基本セオリーであるため、融資が利用しにくいというのは大きなデメリットです。
また、融資がつきにくいということは物件が売却しにくく、流動性が低いということです。しかも、契約期間中は地代の支払いが続きますし、借地権付き物件の改築、建て替え、売却には土地所有者の承諾が必要です。こうした煩雑な点もデメリットでしょう。
借地権付き物件は購入を避けるべきか?
借地権付き物件はデメリットも多くあるものの、土地ごと購入する場合に比べて価格が安く、土地の部分には固定資産税や都市計画税もかかりません。一般的に、東京23区内など、立地のよい物件は土地代が高くなります。そのため、契約更新によって半永久的に借りられる旧借地権付きの物件は、一概に悪いとはいえないでしょう。
3.借地権は3種類、投資スタイルやキャッシュフローなどを勘案しての購入検討を
ここまで、3種類ある借地権の種類、それぞれのメリットとデメリットを説明しました。借地権付き物件の購入にあたり、融資を活用するのか、手元資金で購入するのか。賃料で定期的な収入確保を狙うのか、値上がりを期待し最終的には売却益を狙うのか。借地権付き物件の戦略にはいろいろな選択肢があります。不動産投資のスタイルや手元のキャッシュフローなどを勘案して購入を検討することをおすすめします。
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