金融資産と実物資産の不動産への投資、どう違う? 両方に投資するメリット
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預貯金の利率が低い状態の続いている近年、預貯金以外での資産運用を行う方の数は増えているようです。資産運用といえば、投資信託や株式投資などの金融資産を思い浮かべるかもしれません。しかし、資産運用には「金融資産」だけでなく、「実物資産」という選択肢もあります。実物資産について、そして実物資産の代表格「不動産」への投資について、金融資産との違いや特徴をご紹介します。
金融資産と実物資産って、どういうもの?
まずは、金融資産と実物資産がどのようなものか、概要をみていきましょう。
「金融資産」とは、現金や有価証券、売掛金や貸付金などの金銭債権のことをいいます。数多くの金融資産のうち、個人の資産運用に関わるものは主に次のとおりです。
- ▼預貯金(外貨預金も含む)
- ▼国債や公社債などの債券
- ▼貯蓄性のある生命保険
- ▼投資信託
- ▼株式投資
これら金融資産を保有する目的は、値上りによる「売却益(キャピタルゲイン)」にあります。もちろん預貯金や貯蓄性のある生命保険、国債や、配当や分配金など、保有していれば得られるインカムゲインもありますが、基本的にはキャピタルゲインを期待することが多いでしょう。なぜならば、価格は「需要と供給」「円高・ドル安」「経済状況」など複数の要素で相対的に変動するからです。
一方、「実物資産」とは、不動産、金・プラチナといった貴金属など、形のあるものを指します。また、原油、穀物、アルミ・銅などの鉱物資源、美術品なども実物資産です。多様な種類がありますが、それ自体に価値がある点が共通しています。こちらもキャピタルゲインを期待するものですが、その「物」にも価値があるので、転売ではなく、保有が投資目的になるケースもあります。
実物資産の代表格「不動産」
このように、実物資産の投資の種類は多彩ですが、一番身近なものといえば賃貸業を行うことが多い「不動産」への投資でしょう。ここでは実物資産としての不動産の特徴をみていきます。
不動産は価格変動が緩やかで、価値がゼロになることはない
不動産は、価格変動が金融資産よりも緩やかになる傾向があります。地価変動は当然ありますが、変動単位は年ですから、時間ごと、場合によっては分単位で価格変動する金融資産のように目まぐるしく変わることはありません。例えば、土地価格の指標のひとつである「公示価格」の更新は年1回です。毎年3月に、国土交通省によって公表されます。なお、地価は物の価格が上がるインフレや不況でも価格が変動しにくいといわれています。
また、株式投資などは投資した会社が倒産すれば、その価値がゼロになってしまう可能性もあります。しかし、不動産はそれ自体に価値があるため、価値がゼロになることはないと考えられています。
不動産の運用は選択肢が多い
通常、株式や債券などの金融資産の運用手法は「保有」か「売却」の2つですが、不動産の運用にはさまざまな選択肢があります。ここでは、主なものをご紹介します。
- ▼マンション・アパート経営で賃貸収入を得る
- ▼自分自身で居住する%
- ▼マンション・アパート経営以外の「賃貸経営」
- ▼相続税対策
- ▼売却
マンションやアパート、一戸建てを賃貸します。マンションの一室を購入して賃貸するワンルームマンション投資もあります。ただし、空室時は家賃収入が得られない点に注意しましょう。
ご自身が居住するのも、資産の有効活用といえます。また、賃貸併用住宅も増えてきています。
駐車場やレンタルコンテナ、コインランドリーなど、不動産を生かした経営手法は数多くあります。駐車場などは狭い土地でも活用可能ですし、初期投資も少なくてすみます。ただし、これらの活用法も利用者がいなければ、賃貸収入は得られません。
価値の上がりそうな不動産を生前に贈与しておくと、節税になることがあります。また、マンション・アパートを管理する会社を設立し、お子様やお孫様に給与を支払えば、相続税の資金を準備することもできます。
不動産の価格帯は大きいため、大きな収益が期待できます。
不動産投資というと、アパートやマンション経営を指すのが一般的です。しかし、不動産の可能性は広く、資産状況や周辺地域の変化に応じて投資手法は変化します。不動産投資を始める際は、マンション・アパート経営以外にも選択肢があることを知っておくといいでしょう。
金融資産と実物資産の双方を持つメリット
「不動産は管理が大変そう」「金融資産があれば十分」などと思う人は多いかもしれません。しかし、不動産を自己資産に組み入れるメリットは意外と多いものです。
まず、金融資産だけでは、不況や大災害などによるカントリーリスクが発生したときに不利になりがちです。投資先地域や通貨を分散させることは可能ですが、2008年に発生したリーマンショックのように世界的な経済不況に陥った場合、資産全体が打撃を受けてしまうこともありえます。金融資産と実物資産という性質の異なる資産を保有することは、リスク分散として非常に効果的なのです。
実物資産の中でも不動産は、「遺す」ことができる点にも注目したいところです。相続で一番気になるのは相続税ですが、土地には相続税額を下げる効果が期待できます。
金融資産と不動産投資は性質が異なり、それぞれ違った魅力があります。一見大変そうに思える「物件管理」も、専門の会社に任せることができますので、本業がある方や未経験者でも十分に運用可能です。
金融資産と不動産への投資の二刀流で運用効率アップ
株式や投資信託などの金融資産と、不動産を代表とする実物資産は特徴が違い、同時に保有すれば両者のリスクを補完することが可能です。不動産を取得するためにはある程度まとまったお金が必要になりますが、ローンを利用すれば少額からでも始められます。金融資産と実物資産を併用した資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。
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