私たちが定年を迎えるころ、どのような時代になっているのでしょうか。果たして年金だけで生活していくことはできるのでしょうか。人生100年時代と言われ、リタイア後の人生も長く続くことから、将来のお金の不安はつきまとうことになります。

そんな不安を解決する方法の１つが不動産投資です。とはいえ、何から手をつければよいのか皆目見当がつかない、という方も多いのではないでしょうか。不動産投資に失敗しないためにも、事前準備はしっかりとしておきたいものです。今回は、不動産投資を始める前に必要な準備や、いざというときに相談できる心強い味方をご紹介します。

不動産投資の失敗とは

不動産投資に限らず投資の初心者にありがちなのは、投資をする際に「割高なものや良くないものを買ってしまう」ことです。投資の基本的な考え方というのは、実は普段の買い物と同じで、「良いものをできるだけ安く買う」ことです。

とはいえ、不動産投資の初心者が、対象不動産の資産性や建物の状況から、購入価格のバランスを見極めることは簡単ではありません。また、良い買い物ができたとしても、購入した不動産が利益を生み続けてくれるよう維持し続けなければなりません。そこで、まずは不動産投資のよくある失敗例をみていきましょう

利回りは高いが、空室が続いてしまう

利回りの良い物件を購入したとしても、空室が続けば、当初想定した収入を得られず、資金の持ち出しになってしまうこともあります。例えば、地方の郊外物件は首都圏に比べて入居者の流動性が低く、入居者探しに苦労することも考えられます。

管理会社とうまくいかない

不動産投資でよくいわれる「マンションは管理を買え」という言葉どおり、管理状況次第で今後の物件の維持管理にかかる費用や労力が大きく変わってきます。また、家賃滞納や居住中のトラブルなどには、まず管理会社が対応するものです。ですので、オーナーと管理会社との関係が悪ければ、こうしたトラブルにも熱心な対応をしてもらえず、オーナーの負担が多くなってしまうという事態に陥ることがあります。

このように、不動産投資の失敗にはさまざまなケースがありますが、これらはいずれも未然に防ぐことができるものばかりです。そこで次に、不動産投資を始める前に準備しておきたいことをみていきます。

不動産投資を始める前にこれだけはやっておきたい準備、知っておきたい知識

正しいやり方を身につけてしまえば、不動産投資は一生使える投資スキルです。しかし、専門的な用語や法律など事前に知るべき知識もたくさんあります。具体的にみていきましょう。

1．事前に専門用語や投資例を勉強する

不動産投資の世界では、「利回り」や「空室リスク」などの専門用語が出てきますし、法律自体が改正されることもあります。ですので、実際に不動産投資を始める前に、最低限の専門用語や法律は勉強しておきましょう。今はブームに乗って不動産投資のハウツー本が数多く出版されていますし、インターネットでも簡単に検索できますので、まずは調べてみることから始めるとよいでしょう。

また、不動産投資の経験談はとても参考になります。既に始めている人や不動産会社の人に話を聞くと、より具体的なイメージが沸いてきます。

2．投資である限り「リスク」はつきもの

不動産投資では儲かることばかりに目がいきがちですが、リターンの裏側には必ずリスクも存在します。始める前にきちんとリスクも理解しておきましょう。

不動産投資の主なリスクには次のようなものがあります。

空室リスク

空室が続くと、当然期待していた家賃収入は入ってきません。管理会社が部屋を全て借り上げて管理をするサブリース契約などを利用することも検討しましょう。

入居者リスク

入居はしてくれたものの、家賃の滞納や入居者同士のトラブルなどが発生する場合があります。トラブルにも対応してくれる良い管理会社を選ぶようにしましょう。

天災リスク

日本は自然災害が多い国です。地震や津波、豪雨による土砂崩れや浸水などが発生すれば、物件は大きなダメージを受けます。こういった天災リスクを回避するためにも、不動産購入前に自治体の発行するハザードマップなどを事前に確認しましょう。また、物件の構造や築年数を意識することも重要です。

老朽化リスク

物件の築年数が経ってくると家賃を下げなければいけなくなることもあるでしょう。そうなると想定していた家賃収入より下がってしまいます。この老朽化リスクを軽減するには、投資を始める際に長期的なシミュレーションをしておくことが大切です。リフォームやリノベーション、売却等の方法も想定しておくとよいでしょう。

このように、さまざまなリスクを想定し、準備することで避けられることもたくさんあります。しっかりと対策をしておきたいところです。

いざというときにどこに相談する？困ったときにいろいろ聞ける心強い味方

孤独になりがちな投資の世界ですが、こんなときにはどうしたらいいのだろうかと気軽に相談できたり、助けてくれたりする相談相手がいると不安は軽減されます。そのようなときにはまず、物件を紹介してくれた不動産会社に相談してみることをおすすめします。不動産投資のさまざまな体験談やポイントについて教えてもらえることでしょう。

そうはいっても、物件を紹介してくれた不動産会社には言いにくい、ということもあるかもしれません。そのときには、NPO法人などの機関に相談するという方法もあります。オーナーならではの悩みや細かい質問などについて、解決方法が得られるかもしれません。

最初が肝心。でも、始めてからも情報収集を怠らずに

不動産投資は、長く続けられるとして昔から人気のある投資方法です。正しい不動産投資ができれば、経済的な安泰につながり、将来の不安を消すことができます。そのためには、最初が肝心です。事前にできることは自分でしっかりと準備することはもちろんのこと、想定外のトラブルにも対処できるよう、情報は常に収集するようにしましょう。結局のところ、不動産投資のポイントを抑えるためのノウハウを身につけていくことが成功につながるのです。

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