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バブル期の失敗者に学ぶ!マンション投資の3つの教訓

バブル期の失敗者に学ぶ!マンション投資の3つの教訓


バブル期の失敗者に学ぶ!マンション投資の3つの教訓

 マンション投資で失敗しないためには、過去の失敗例から学ぶことが重要です。バブル期にマンションを購入した人のなかには、安易な考えによる購入だったことから、次々と問題が発生して大きな損失を被ったという事例があります。そうした失敗例から導かれる教訓を考えてみましょう。バブル期の失敗例ですが、2018年現在にも通じる教訓が含まれています。
 

転売目的で「何とかなるだろう」が失敗の原因

 1990年に20代後半のサラリーマンだったX氏は、首都圏の築7年、2DK、約45平方メートルのマンションを2,500万円で購入しました。当時、賃貸マンションはすぐに値上がりしたため、1,2年で売却してキャピタルゲイン(売却益)を得る方法が普通に行われていました。X氏はその流れに乗り、当時の「住専」(住宅金融専門会社)で頭金0円、35年フラットローンを組み、購入しました。年8%の固定金利だったため、年間のローン返済額は約213万円に達しますが、「すぐにマンション価格が上がって売れば利益が出る」と考えたX氏は気にも留めませんでした。

家賃で支払いを圧縮、サラリーマン生活を続ける

 バブル期は、首都圏であればすぐに入居者が見つかりました。X氏のマンションを事務所として使いたいという申し出があり、家賃8万5,000円で成約。共益費1万2,000円を引いて7万3,000円が家賃収入となり、年間の返済額は約125万円となって、一流企業に勤務していたX氏の生活が、極端に圧迫されることはないレベルで収まりました。
 

バブル崩壊で家賃も急落、苦境のX氏は変動金利へ移行

 しかし同年夏、イラク軍のクウェート侵攻をきっかけに株価は急落し、それ以後不動産価格も下落を続け、5年前後続いたバブル景気は完全に終わりを迎えます。1980年代半ばから始まった不動産価格の高騰は、1990年頃がピークでしたが、バブル崩壊の予測は難しいものでした。
 家賃は2年契約だったため、X氏の経済状況には直ちに影響はありませんでしたが、1994年には契約更新してもらえず入居者が退去しました。そして今度は、それまでの家賃8万5,000円では新たな入居者は現れませんでした。そこでやむなく家賃を下げて募集し、幸い7万円で次の入居者が決まりました。しかし、これでは月々のローンの支払いが1万5,000円増えることになります。さらにX氏が契約したフラットローンは、6年目から返済額が増えることになっており、さすがにX氏も自らが置かれた厳しい状況に気づきました。

固定金利から変動金利で大幅に返済額を圧縮

 ここでX氏が厳しい状況を少しでも打開するためにとった方法が、固定金利から変動金利への切り替えです。幸い1995年以後、住専が次々と倒産し、ローンの支払い先が「株式会社住宅金融債権管理機構」(後の株式会社整理回収機構)となり、債権回収のため同機構では柔軟な対応をしてくれました。また、X氏の契約では固定金利から変動金利への変更は1度だけできるというものだったため、6年目に入るときにローンの見直しを行いました。8%だった金利は3.5%となり、さらに25年返済で組み直したので、年間のローン返済額は約220万円から約142万円まで減額できました。

返済開始から27年、繰り上げ返済をせずにいまだにローン返済中

 その後X氏は会社を辞め、IT系の事業を始めて、2005年頃まで会社を軌道に乗せるために必死に働きました。ローンの返済ができなくなることは、会社の信用問題にもつながるので、月末には預金通帳を確認して残高不足にならないように注意し、経営が苦しい時期にも返済が滞ることはありませんでした。そして2010年を過ぎると会社経営が軌道に乗り、残高不足を気にすることはなくなりました。
 ローン返済開始から27年が経過した2017年、20代だったX氏も50代半ばとなり、健康に不安を覚えるようになりました。現在ローンはまだ4年ほど残っています。X氏は、現在のローン返済額は苦にならないとはいえ、病気や事故で自分が働けなくなったときのことを考えると、繰り上げ返済して早く完済しておくべきだったと後悔しています。今から思えば、手持ちの資金に余裕があった2010年頃であれば繰り上げ返済が可能でしたが、他の出費を優先させた結果、繰り上げ返済ができずに現在に至りました。

まとめ

 X氏の失敗から3つの教訓が学べます。
 
1. 資金に余裕を持つ
2. 金利を常に意識する
3. 資金に余裕がある場合は繰り上げ返済も選択肢にする

 1つ目の教訓は「資金に余裕を持つ」ことです。X氏は、短期間の転売目的であったため、毎月の支払い額を気にせずマンションを買ってしまいました。現在のマンション投資は中長期間の所有が前提となりますが、その中でも、転売できない、あるいは空室になるなどのリスクを考慮した資金計画が必要です。この事例では、バブル期だったこともあり転売が簡単と思いましたが、バブルの崩壊によりその予測は外れました。
 2つ目の教訓は「金利を常に意識する」ことです。今は低金利の時代だけに、X氏のような極端な例(固定8%、変動3%)はないにせよ、少しでも低い金利で借りられるように意識しないと長期間の返済では大きく変わってきます。
 3つ目の教訓は「資金に余裕がある場合は繰り上げ返済も選択肢にする」ことです。マンション投資は自分の人生の残された時間を計算して行わなければいけません。X氏は大きな病気や事故には遭いませんでしたが、長いローン返済期間中には何が起こるかわかりません。資金に余裕がある場合は、返済時期を少しでも短くする、あるいは月々の返済額を減らすことでメリットのあるマンション投資、安心できる人生になります。


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