海外富裕層の常識? 日本でも本格化する「プライベートバンク」とは?
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「プライベートバンク」という言葉をご存知でしょうか。プライベ―トバンクとは、一定の資産額以上の富裕層を対象に、銀行、証券、信託、保険、不動産といった資産運用や資産管理を総合的に提供する銀行のことです。スイスが発祥とされており、海外の富裕層のあいだで広く普及しています。今回は、このプライベートバンクについて解説します。
プライベートバンクとは?
プライベートバンクを利用するのは、主に富裕層の方です。顧客一人ひとりに高度な専門知識を持つ専任の担当者がつき、一般的な資産運用に関する相談への対応のほかに、オーダーメイド型の金融商品や、相続・事業承継といった銀行の枠組みを超えたコンサルティングサービスを提供しています。こうしたサービスは、「ウェルスマネジメント」とも呼ばれています。
また、プライベートバンクに口座を開くには、金融資産の条件もあります。「純金融資産を〇億円相当以上保有される日本在住の方」「年収〇〇万円以上の方」など、金融機関によって条件は様々なので、目的や用途によって選択します。
プライベートバンク、4つのメリット
日本プライベートバンク協会によると、プライベートバンクを利用するメリットは、主に「地政学的な分散」「高いサービス水準」「プライバシーの確保」「多様なサービスや投資商品」の4つあります。
1.地政学的な分散
世界でプライベートバンクの中心となっているのは、スイスや米国、アジアの金融センターである香港やシンガポールなどです。
プライベートバンク発祥の地であるスイスでは、永世中立国という立場を生かし、紛争や革命による財産の喪失におびえる世界中の富裕層の資産を守ってきました。日本でも、自然災害や経済の混乱などから資産を守るために、海外のプライベートバンクを利用する価値はあると言えるでしょう。
2.高いサービス水準
世界に名だたるプライベートバンクは、数世紀にわたって富裕層と築き上げてきたコネクションや信頼があります。一般の銀行と比べると、質の高いサービスが期待できるでしょう。
3.プライバシーの確保
プライベートバンクは、顧客それぞれに最適な資産管理方法を提案するため、事業や家族を含めた個別の事情を深く理解する必要があります。一方で、多くの富裕層は自らの資産をひけらかすことは好まないため、プライベートバンクには厳密な守秘性が求められます。その点、多数の株主を擁する日本のメガバンクと異なり、スイスのプライベートバンクは無限経営責任のパートナー制となっており、非常に守秘性が高いことで知られています。歴史の長い海外のプライベートバンクは、プライバシーの確保という面からも顧客の信頼を勝ち得ていると言えるでしょう。
4.多様なサービスや投資商品
プライベートバンクは、専門家の目から世界の情勢を分析し、顧客一人ひとりにふさわしいオーダーメイドの金融商品やサービスを提供します。そのため、場合によっては数十年単位での提案となることも珍しくありません。
海外のプライベートバンクを利用する際の留意点
海外のプライベートバンクを利用する際には、有価証券や為替の売買、運用助言、口座維持などに手数料がかかります。プライベートバンクにすべての運用を任せる一任勘定口座の場合、年間残高に対して手数料がかかります。また、国籍や居住地、プライベートバンクのある地域によって、課税条件は異なります。海外プライベートバンクの利用にあたっては、税理士や会計士などにも相談したほうが良いでしょう。
現在は、富裕層の資産隠しを防止するため、CRS(共通報告基準)と呼ばれる制度が始まっています。一部のCRS非参加国を除く国では、金融機関は非居住者の口座情報を自国の税務当局に報告する義務があり、そうして集められた口座情報は各国の税務当局間で交換が行われているのです。そのため、海外のプライベートバンクを利用しているからといっても、従来のような守秘性は期待できないということを覚えておいた方がよいでしょう。
また、サービス対象が富裕層ということもあり、プライベートバンクを装って顧客の資産を担保に資金調達するような悪質な業者もいるので注意が必要です。
プライベートバンクの活用で資産防衛を
プライベートバンクは、大切な資産を守る重要なパートナーです。できれば生涯にわたって付き合っていけるような、信頼のおけるプライベートバンカーを探してみてはいかがでしょうか。
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