人生100年時代の不安はやっぱりお金?長生きリスクに備える
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長寿化が進み、人生100年時代と言われる昨今、誰しもが老後の生活について無関心ではいられないでしょう。長生きは喜ばしいことですが、健康や金銭面の不安も大きいようです。
俗に言う「長生きリスク」のうち、今回は特に経済的な課題と、その課題に対応するためにどのような準備をしていけばいいのかをご紹介します。
「人生100年時代」は本当?
「100歳まで生きることができるのは一部の方だけ」と考えている方もいるかもしれませんが、「人生100年時代」は誇張ではなく、現実的な話です。厚生労働省の「平成30年簡易生命表の概況」(2019年7月30日発表)によると、日本人の平均寿命は男性で約81.25歳、女性で約87.32歳と、世界最高水準に達しています。さらに、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(平成29年推計)」では将来の平均寿命はもっと伸び、「2065年における女性の平均寿命は90歳超」という試算もでています。
いつまで生きることができるのかは誰にも分からないとはいえ、長寿の可能性が高い以上、備えは必要でしょう。
人生100年時代の課題
公的な年金制度への懸念も、人生100年時代の不安の一つとされています。1950年頃の平均寿命は男女ともに60歳前後でした。その前提で、約60年前に公的年金制度がスタートしましたが、現在の平均寿命はその頃より大きく伸びています。その一方で、0歳から14歳までの、いわゆる「年少年齢」である子どもの数は減少しています。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(平成29年推計)」によると、1980年代初めに2,700万人規模であった年少人口は、2015年には1,595万人規模にまで減少しました。総人口に占める割合はわずか12.5%で、この減少傾向は継続すると予測されています。日本の年金制度は、現役世代がリタイア世代を支えるという構造になっているため、少子高齢化はまさに二重苦の状態なのです。
社会保障全体の歳出増加もあり、政府は年金の受給開始年齢を現在の65〜70歳の範囲から70歳以降に延長する方針で、年金制度を安定して継続するために、今後も年金の受給要件や受給額は厳しくなることが予想されます。
こうした背景から、年金に頼るだけでなく、自ら老後資金を作る姿勢も求められてきており、金融庁の「高齢社会における資産形成・管理(金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書)」では、長寿を意識した資産形成の重要性が説かれています。この報告書に関しては、「老後資金は2,000万円必要」との内容がクローズアップされ、大きな反響を呼びました。報告書では、働いていない高齢夫婦の赤字を統計上「月5万円」としています。仮に65~100歳までの35年間赤字が継続した場合、5万円×12月×35年=2,100万円です。これが報道の「老後資金は2,000万円必要」問題の根拠となります。
この「老後資金は2,000万円必要」との文言だけを切り出して、年金制度を批判する報道もありましたが、報告書は不安をあおる意図で作成されたものではありません。不安要素を知り、対策を講じるため材料として活用したいものです。
人生100年時代を生き抜くために
「老後資金として、年金だけでは2,000万円足りない」と聞いて落胆するのではなく、将来の不足分を補うための資産を作り、人生100年時代に備えていくほうが建設的です。
老後資金を蓄えるのにまず始めたいのは、コツコツ貯めていくことです。スタートが早いほど、毎月の積立額は少額で済むので、必要と感じたらすぐにスタートしましょう。ただし、預貯金だけでは利率が低く、資産増加は期待できません。効率よく増やすためには、資産運用がおすすめです。
投資初心者ならNISAやiDeCoを活用
資産形成の面からいえば、預貯金よりも資産運用が適しています。とはいえ、「運用は元本割れのリスクがあるからこわい」と二の足を踏む方もいらっしゃると思います。そのような方は、税制優遇があり収益を上げやすいNISAやiDeCoから始めてみてはいかがでしょうか。
両者は異なる制度ですが、どちらも年間一定の投資額までは収益が非課税になります。非課税枠は、通常NISAなら年間120万円、つみたてNISAなら年間40万円です。iDeCoは働き方や会社の年金制度によって掛金(投資できる額)が変わりますが、会社員であれば年額14~27万円程度のケースが多いようです。
投資のステップアップも目指していこう
NISAやiDeCoは税制優遇があるのが強みですが、非課税になる投資額には上限があります。そこで、投資に慣れてきたら、非課税にこだわらずに投資額を増やして、さらなるリターンを目指しましょう。通常の資産運用でも、堅実な投資手法は複数ありますので、徐々に始めればリスクを抑えることができます。
また、資産運用は金融商品だけではありません。土地や建物を保有し、収益を得る不動産投資もあります。違った分野へ投資することは、投資のリスク分散にもつながります。自己資金がある程度貯まったら、不動産投資なども視野に入れてみましょう。
セミ・リタイヤ期の見通しを持つ
社会に出て間もないような若い世代ならば、漠然と老後資金を積み立てていってもいいでしょう。しかし、年齢を重ねるにつれて、老後資金への備えは少しずつ具体化していくべきです。そのためには、最低でも退職金の額、会社の定年と再雇用制度、公的年金の受給額などを確認しておきます。住まいが賃貸か、それとも持ち家かによっても、必要な額は異なってきます。リタイア前後の収支や雇用関係を確認し、人生100年時代に備えるべき金額の目安を割り出したいものです。
必要な資金は個人のライフスタイルなどによって違います。統計から導き出された金額である「2,000万」という金額もあくまで一つの試算に過ぎません。今後の人生を見つめ、自分にとっての必要額を理解し、老後の不安を解消していきましょう。
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