日本独自の制度?外資系企業にはない退職金の内容や平均額を知ろう
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会社員人生も折り返し地点を迎える頃になると、頭に浮かぶのは「退職金」という言葉ではないでしょうか。
勤務先に退職金の規定があることは知っていても、具体的にいくらもらえるかまでは計算したことがないという方は多いと思います。
本記事では、退職金にまつわるトピックスをみていきましょう。
退職金は日本独自の制度?外資系企業に退職金制度がない理由
「退職金」は、正しくは「退職給付」、もしくは「退職手当」といいます。
実は「退職金」として、ほとんどの従業員に退職時のボーナスを支払うのは日本独自の制度です。
欧米諸国などでは、確定拠出年金などを利用して会社が従業員の老後をバックアップする制度を設けているケースはあるものの、日本のように退職時にまとまった額の一時金を渡すのは世界でも珍しい慣習です。
これは、退職金が日本企業の終身雇用制度と深く結びついてきたことが要因です。
退職金は、長年勤めれば勤めるほど有利になる制度です。
企業が、従業員の忠誠心を高め、定年まで勤めさせることで雇用を安定させようとする狙いがあったと考えられます。
定年まで勤めさせることが目的ですから、一般的には、自己都合での退職は定年退職よりも退職金が低くなります。
しかし、終身雇用制度が崩壊し、転職が当たり前になってきている現代では、退職金の魅力も薄くなりつつあります。
また、退職金がもらえる企業自体も減ってきています。
りそな年金研究所の調査によると、中小企業で退職金制度を設けている企業は2000年時点で89.3%でしたが、2016年には69.8%にまで減少しました。
退職金の平均はどのくらいか
勤続20年以上かつ45歳以上で定年退職した大卒者の平均退職金は1,983万円でした。
平成20年の調査では2,280万円でしたので、退職金の給付額も減りつつあることが分かります。
ただし、多くの企業では、退職金の給付額は退職時の賃金を基に計算します。
そのため、同じように新卒から定年まで勤めた場合でも、学歴や企業規模によって金額が異なるのが一般的です。
最近では、年功序列の色合いが強い退職時給与による算出から、成果報酬型の一種であるポイント制へ移行する企業も増えてきました。
また、組織の新陳代謝を進めるために、退職金を積み増して早期退職者を募る企業もあります。
退職金がない外資系企業は日系企業より損なのか?

外資系企業には、退職金制度を設けていないケースが見られます。
そのため「日系企業に比べて損なのでは」と考える方も少なくありませんが、必ずしも一概に不利であるとはいえません。
まず、日系企業の退職金制度は長期勤続を前提に設計されています。
勤続20年未満で転職や退職をした場合、支給額が大幅に減ることも多く、早期離職者にとって必ずしも有利な仕組みではありません。
近年は制度縮小や一時金から確定拠出年金への移行が進み、従来のような手厚い退職金が得られない場合も増えています。
一方、外資系企業では退職金がない代わりに給与水準や賞与が高めに設定されているケースが一般的です。
成果主義が徹底されていることが多いため、在職中に高い報酬を得やすく、短期間でも効率的に資産を増やせる可能性があります。
また、多くの外資系企業では企業型確定拠出年金(DC)やストックオプションなど、退職金に代わる制度を導入しており、従業員が自ら資産形成を行う環境が整っています。
さらに、外資系では転職を前提としたキャリア形成が一般的であり、個人が主体的に資産運用を行う文化が浸透しています。
したがって、退職金の有無だけで損得を判断するのは適切ではありません。
重要なのは、生涯賃金・福利厚生・キャリア設計を総合的に比較し、自身のライフプランに合った働き方を選択することです。
退職金があれば老後は安泰といえるか
優遇措置はあるものの、退職金を受け取るときには相応の課税がされることを忘れてはいけません。
そのため、退職金は「支給額=手取り」ではないと覚えておきましょう。
とはいえ、数千万円ほどのまとまったお金が手元に入るという経験は、人生でそうそうあるものではありません。
では、退職金があれば、本当に老後は問題ないといえるのでしょうか。
最近では、年金などの社会保障では老後費用をまかなえずに、貯蓄を切り崩す高齢者の姿も浮き彫りになっています。
総務省の「平成29年家計調査」によると、世帯主が60歳以上の無職世帯の支出は1ヶ月当たり約23.8万円。
一方、収入は1ヶ月当たり約20.5万円と、支出が収入を超過しています。
1ヶ月当たりの超過額は約3.3万円ですので、1年で約40万円になります。
60歳で定年退職したとして、日本人男性の平均寿命81.09歳までの約20年で約800万円以上の貯蓄を取り崩す計算になります。
加えて、医療費がかさんだり、家の修繕・リフォームなどで大きな支出が発生したり、孫や子どもに経済支援をする可能性なども考えると、出費はさらに膨らみます。
今後、年金の支給開始年齢が引き上げられたり、支給金額が引き下げられたりする可能性もあります。
このようにみてみると、退職金があるとはいえ、リタイア前からの計画的な貯蓄がいかに大切か実感できるのではないでしょうか。
退職金でまとまった金額が手に入ったからといって、突発的な出費や贅沢な暮らしをできるほどの余裕はないと言えるでしょう。
退職金以外に老後資金を貯める方法
退職金は老後資金の重要な柱とされてきましたが、支給額の減少や制度の縮小が進んでいるため、退職金だけに頼るのはリスクがあります。
安定した老後を迎えるためには、複数の資産形成手段を組み合わせ、早い段階から準備を進めることが大切です。
まず代表的な手段が確定拠出年金(DC)やiDeCoの活用です。
これらは掛金が全額所得控除となり、運用益も非課税で再投資できる仕組みです。
税制優遇を受けながら長期的に資産を積み上げることが可能であり、企業型DCを導入している企業に勤めている場合は積極的に利用する価値があります。
次につみたてNISAや投資信託を活用した長期投資が挙げられます。
少額から始められるため現役時代の家計に無理をかけず、時間を味方につけて資産を増やせます。
株式や債券、REITなどを組み合わせて分散投資を行うことで、リスクを軽減しながら安定的なリターンを狙うことができます。
また、不動産投資も老後資金形成の有効な手段です。
賃貸用マンションなどに投資すれば、定期的な家賃収入を得られるとともに、将来的な資産価値の上昇も期待できます。
インフレに強い性質を持つため、貨幣価値の下落リスクを和らげる効果もあります。
さらに、現役時代からの計画的な貯蓄も欠かせません。
毎月一定額を自動的に積み立てる仕組みを取り入れることで、無理なく資金を積み上げられます。
金融資産と実物資産の両面からバランスよく備えることが、将来の安心につながります。
退職金は将来の生活を支える大きな要素ですが、それだけで十分とは限りません。
税制優遇制度や投資商品を組み合わせ、早期から継続的に資産形成を行うことが、安定した老後生活を実現するための鍵といえます。
退職金と企業型確定拠出年金制度の違い

退職金と企業型確定拠出年金は、いずれも老後資金を準備する制度ですが、その仕組みや性質は大きく異なります。
まず退職金制度は、企業が独自に設けるもので、従業員が退職した際に一時金や年金として支給されます。
支給額は勤続年数や役職、退職理由などによって決まり、長期勤続を前提とした制度設計が一般的です。
しかし、企業の経営状況や制度変更によって支給額が減額されたり、制度自体が廃止されたりする可能性もあります。
つまり、従業員の努力だけではコントロールできない「企業依存型」の制度といえます。
一方で企業型確定拠出年金は、企業が掛金を拠出し、従業員自身が投資商品を選択して運用する仕組みです。
掛金は非課税で積み立てられ、運用益も非課税で再投資できます。
将来の受取額は運用成果によって変動するため、従業員の投資判断と運用姿勢が資産形成に大きな影響を与えます。
元本保証はなくリスクを伴いますが、長期積立や分散投資を行うことで安定的に資産を増やすことが可能です。
両者の最大の違いは「誰がリスクを負担するか」にあります。
退職金は企業が積立や支給責任を負うため、従業員は原則として確定した給付を受け取れます。
これに対して企業型DCは従業員が運用リスクを負い、成果次第で受取額が大きく増えることもあれば減ることもあります。
また、退職金は一度にまとまった資金を受け取る場合が多いのに対し、企業型DCは原則60歳以降に年金または一時金として受け取る仕組みです。
資産形成の方法が異なるため、老後の生活設計において両者をどう組み合わせるかを検討することが大切です。
退職金が減少傾向にある現在、企業型DCは「自分で築く老後資金」として注目されています。
両制度の特徴を理解し、ライフプランや投資スタイルに合った形で利用することが、安定した老後生活を実現する鍵となります。
リタイア前から計画的な資産運用を
退職金は、長年勤め上げたからこそ手にすることができるボーナスです。
職業人生の総決算ともいえ、多額の退職金を手にしたことは誇りに感じてもよいでしょう。
しかし、「退職金があるから老後費用はなんとかなる」と安易に考えるべきではありません。
ゆとりある老後を過ごすために、リタイアする前から不動産投資などの資産運用で計画的に増やしていくことも考えてみましょう。
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